「みんなのお葬式体験談」
大切な人を見送る瞬間は悲しい。特にそれが長年連れ添った相手ならば尚更・・・
心温まるとある夫婦のお葬式です。
不思議なトンボ
祖母のお葬式でのこと。祖父母は高知のものすごい田舎に住んでおり、お葬式は会館を借りたりせずに、自宅で行いました。
お葬式は真夏の暑い中、近隣の人も大勢来ていたので、そこらじゅう窓や扉を開け放していました。
お坊さんがお経を読んでいると、ものすごく大きなトンボが飛びこんできて、蛍光灯に羽がぶつかってバチバチとすごい音を立てました。
お坊さんの大声と相まって、ものすごくうるさく、孫たちの細いすすり泣く声とひどく対照的で、何とも不思議な気持ちでした。
伯父が捕まえて外に出してましたが、
(トンボもお別れを言いに来たのかな)
なんて考えていました。
祖父の涙
祖父はまだ健在でしたが、祖母のお葬式や火葬の間、祖父はずっと涙が止まりませんでした。
祖父の泣いているのを見たのは、後にも先にもこの時だけでした。
火葬場の待合室で待っていた時、祖父が突然、「鼻水が止まらないが、風邪でもひいたんだろうか」と一言。
いや、泣いたら鼻水出るのは普通でしょ・・・。
もしかすると、人生でほとんど全く泣いたことのなかった祖父、涙が出ると鼻水も出るという認識が無かったのかも!?
感想・解説
何とも心温まるお話ですね。
「愛別離苦」愛するものとの別れは辛いけれど、最後まで自分の死を心から悲しんでくれる人がいるだけで、幸せなことですね。
そんな素敵な人だからこそ、トンボも最期のお別れに来てくれたのでしょう。
あわせて読みたい!いや、読んでいただきたい!
いやいや、読んでくださいm(_ _)m!