【とんでもない遺族の話】
夏も終わりだいぶ朝晩は冷え込むようになりました。
今年の夏を振り返って、印象深かったとんでもない葬儀の話をひとつ。
いつもの様に式場の準備を整えて、ご遺族の到着を待っていると、半袖のワイシャツにノーネクタイという、ラフな格好の喪主様御一行様が到着。
(まぁ夏だしね。)
などと思いながら、お出迎え。
打ち合わせ等々を済ませ、ひと段落。
その後忘れないうちにとご遺族用の喪章(リボン)を上着に付けていただくことに。
ご遺族を集めてリボンを配布。
早速司会の女性が、女性のご遺族・ご親族の腰の辺りに喪章を付け始めたので、僕は男性のご遺族・ご親族に 付けて差し上げることに。
すると急にザワつく男性達。
ああ、成程ね!クールビスですか~
って葬式にクールビズもへったくれのあるかー!!!
ここはハワイか!?
すぐに取って来ーい(゚皿゚メ) ウラァァアア!!!
ってか大体ご遺族が全員「クールビズですから!」って 麻の半袖ワイシャツにノーネクタイで式に参加って、普通に考えて無いでしょ!?
そうです!無いんです!!!
斎場からご自宅まで車で片道10分くらいで行けるのがせめてもの救い取り敢えず喪主様の上着だけでも、取ってきてもらうことに。
式の開始時刻まであと30分弱。
流石に喪主様が行くわけにはいかないので、喪主の妹さんに行ってもらうことに。
ところが兄が兄なら、妹も妹。
ああ。そうね。ちょうど六時前だしね。
って、
ふ・ざ・け・ん・なー!!!!
いいから、とっとと行って来んかー(゚皿゚メ) ウラァァアア!!!
僕の全身からほとばしる殺気に気付いてか、妹クルマにダッシュ!
ε=ε=ε=ε=ヽ(;^0^)/
取りあえず全ての準備を整え、上着が来たら、1秒で式が 始められるようにスタンバイ。
まさに「上着様待ち」であります。
定刻。
「それでは只今より故○○様の通夜式を謹んで開式とさせていただきます。」 っと言いたいところですが、上着がまだ届かん!
3分が過ぎ、5分が過ぎ・・・
これ以上、坊さんや会葬者を待たせるわけにはいかん。
とうとう待ちきれなくなった僕は、会場奥の親族席に座る喪主様の元へ行って、こっそり耳打ち。
すると喪主様が一言。
天誅!!!
いや~危ない危ない。
江戸時代なら確実に、叩き切ってましたね・・・
その後程なくして、上着様が到着。
上着を抱えた妹さんを親族席にご案内。 喪主様に上着を着せ、喪章を付けて差し上げましたが、そこで僕が聞いた悪魔のような言葉。
おじさん達のことを思うなら、葬儀を定刻通りにはじめてあげることが第一ではないか?という一般論は、どうやら彼らには通じないみたいね・・・
ちなみにその後、上着を取ってくることが出来なかった他の 親族は、
喪主様の上着を借りる → 着る → 焼香→ 席に戻る→ 次の人間に上着を渡す → 着る → 焼香・・・
という前代未聞のサイクルが出来上がっていました。
最低限のマナーくらいは身につけて、大人になろうぜって思った、とんでもないご遺族の話。