とんでもない坊さんの話
とある真言宗のお寺の住職は、陰でビジネス坊主と揶揄〔やゆ〕される程、金儲けが大好きなことで有名な、守銭奴坊主。
寺の敷地内にある葬儀場を葬儀屋に貸出して、がっぽり儲けてたんですが、近くに安い公営斎場が出来て、商売とんとあがったり。
このままじゃまずいって言うんで、早速葬儀場半分をぶっ壊して、一人用の納骨堂に改築。
少しでも多くの遺骨を安置出来るようにと、コインロッカーのような形式の納骨堂に。
まさにコインロッカーのフレームをもうちょい良くして、扉が鉄製じゃなくて、ガラス製になった感じ。無いのはコインを入れる穴だけ笑
それがいくつも整然と並んでいる様は、納骨堂というより、まさにターミナル駅のコインロッカールームそのもの・・・
中央の一番奥に阿弥陀如来〔あみだにょらい〕を安置して、如来様に一番近い最前列を最上位ランクの納骨スペースとし、距離が離れるほど、ランクが下がり、値段も安くなるしくみ。勿論ランクが上がればお値段もグーンとアップ。
しかし、住職どうも気に入らない。最上位ランクの納骨スペースが一番少ないのが不満らしい。
ってかそりゃそうでしょ!どんな会場だって、特等席が一番多いなんてとこ聞いたことないし!
しかし、そこで諦めないのがこの住職のすごいところ。
そこで住職考えた!
そして閃いた。
通常納骨堂に安置する仏様は本尊一体(両脇にお供の仏様を従えた三体ひとセットの場合もある)
それをあろうことか、阿弥陀様四体を追加召喚!中央と四隅に合計五体を配置。
早い話、仏像をあっちゃこっちゃとたくさん置いちゃったわけ。
これで仏様に接する上級納骨スペースの数を、格段にアップさせる考えらしい。
名付けて、阿弥陀如来分身の術!
ってNARUTOか!?
住職いわく
って、とある葬儀で会った時に、したり顔で自慢・・・
めちゃめちゃ頭きたけど、まぁ自分の寺だし、百歩譲ってそこは良しとしても、
あたな今日の葬儀で、お経の最後の下り間違えてましたから!
咳〔せき〕でごまかそうとしてもダメよ~ダメダメッ!ロビーにいた弔問客はみんな知ってますから!
えっ?お経を嫌と言うほど聞いている、僕達だけならともかく、なんでロビーの弔問客まで分かったかって?
あなた今日使用したここの斎場始めてなんで、知らなかったでしょうけど、祭壇の下にピンマイクが付いてて、外のロビーに音声が流れるようになってるんすよ!
お焼香待ちでロビーにいる一般の弔問客にも、お経が聞こえるようにとの、式場側の配慮なんですが、あなたがお経間違えて、小声で
って言ったの、ダダ漏れしてましたから!!!
金儲けの為にフル回転させる頭があったら、まずはお経くらいまともに、読めるようにしといてくださいよ。
それにしても金を積めば積むほど、仏様に近い納骨スペースに安置してもらえるとは。これぞまさに地獄の沙汰も金次第・・・でもって坊主丸儲け!
死んでからも人はお金を持ってたか、持ってなかったかで、差別・・・というか「区別」されるんですね。それも聖職者に・・・
王子の身分を捨て、ボロ切れ一枚身にまとって、人々の救済の為に、苦しい修行をなさっていらっしゃったお釈迦様が聞いたら、なんとお嘆きになられることやら・・・
もちろん職業柄、様々なお寺さんと接するし、裏も表も見える。真面目に一生懸命宗教活動に取り組んでいらっしゃるお寺さんもいっぱいいる。
檀家が少なくて、お寺の仕事だけでは食べていけないから、副業しながらお寺ら支えてる立派な住職も、大勢知っている。
だからこそ逆に、ろくに修行もしないで、金儲けばっかりに精を出しているお寺は、税金大幅に免除される「宗教法人」なんて看板取り上げて、
株式会社○○寺
に強制的に改名!
でもってガッツリ法人税搾り取ってやれば良いのに!ってつくづくイヤになった、守銭奴坊主の話。
今度住職に会ったら、「社長!」って呼んでやろうかな・・・
って思ったとんでもない住職の話。