とんでもない葬儀屋の話
本題に入る前に、葬儀業界の知識をひとつ。
基本的に「友引」は火葬場が休みになる為、火葬が出来ません。
火葬が出来ないということは、当然火葬とセットで行われる告別式が出来ません。基本的には通夜と告別式は連日で行われる為、詰まるところ、友引の前日は、通夜は出来ないことになります。
友引の前日に通夜をやってしまうと、翌日(つまり友引)は火葬が出来ない為、一日置いて告別式をやらなくてはいけなくなってしまいますので、通常はその様な日程の組み方はしません。
まとめると下記の通りになります。
友引前日 告別式はOK 通夜はNG(翌日は告別式ができないから)
友引当日 告別式はNG 通夜はOK
厳密に言うと、都内ではまず聞きませんが、全国的にみると極々一部ですが通夜と告別式の間に友引を挟む地域もある様です。
また東京でも例外として一箇所だけ友引も稼働している火葬場がありあます。
知っている方もいるかも知れませんが、太田区にある、臨海斎場がそれです。
しかしながら、わざわざ友引に葬儀をやるくらいですから、大方はワケアリの葬儀です。
例えば、故人の職業柄とか、死因が人には言えないとか・・・
あまり詳しく言ってしまうと、イロイロ問題がるので、後は自分で想像していただきたいのですが、要するにおおっぴらに葬儀が出来ない人達です。
まぁ話は戻りますが、何が言いたいかというと、一般人はまず友引の前日に、通夜はやらないということです。
でもって、ここからが本題。
都内某区にある知り合いの葬儀社が手が足りないとのことで、お手伝いに入った時の話。
手伝いに入った葬儀社にいる若手社員の鈴木君(仮名)。良い子なんだけど、ちょっと・・・というかダイブ不思議ちゃん。
マイペースでいかにも【今どきの若者】って感じ。
そこの葬儀社の事務所で部長と僕が雑談をしていると、鈴木君が、ずずーいとやってきて、一言。













それを聞いた部長が一言。

バカーッ!!!
どうせズル休みするなら、もうちょいマシな言い訳考えて来いよー!
理由まで聞かれることを想定してなかったから、完全にテンパったな・・・



10秒、20秒。30秒・・・妙な沈黙が流れる事務所。
そうなっちゃいますよね~
この沈黙、TVならとっくに放送事故ですよ!

沈黙に耐え切れず、奇妙な叫び声を上げる鈴木君。


言い切ったね!!!
しかも無駄に力強い!!!
心臓どうなってんだよ!?

笑顔を絶やさず言ってのける部長、オトナ!
オイラだったら、キラウェア火山バリに噴火してますよ。
私が外出する時間が来た。
出発間際に鈴木君にこっそり、話しかける。

すまなそうに頭を下げる不思議ちゃんに、
って小声で聞いたら、

ってまあまあデカイ声でぶっこきやがった!
シーッ!!!声がデカイよ!!!
案の定、席から部長がギロッ!

遅ぇよ。。。

私は何も聞かなかったことにして、そっと事務所を後にした。
葬儀屋なら友引の日くらい把握しとけよって思った、とんでもない葬儀屋の話。
まぁ憎めないヤツなんすけどね・・・