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とんでもない坊さんの話

今日の葬儀にお呼びしたご住職は、30台前半の若い住職。30歳までは自分の好きなことをやって、その後はお寺の副住職として修業。勿論ゆくゆくは父親(現住職)の跡を継いで、寺の住職になる予定。

まさにファンキーモンキーベイビーズのDJケミカルみたいな感じ。意外に思うかも知れないが、そこまで頻繁という訳ではないけれど、住職の世界では、ままある話。

まずはじっくり修行して・・・と思っていたら、先代の住職であったお父様が急死。有無も言わさず急遽住職に就任。

そんなに修業期間が長くない為、仏教界の色に染まっていないというか、あまり住職っぽくない感じ。僕らからしたら、とてもフランクで良い人なんだけど、ちょい軽い。

開式30分前に住職登場。導師控え室にご案内。

本日のご喪家は、代々そのお寺の檀家〔だんか〕さん。さっそく喪主さんが、ご住職にご挨拶に。喪主さんを住職の部屋に案内した後、すぐに引き上げようと思っていたら、思わぬ形で話に巻き込まれてしまい、何故か同席させられることに。

ひと通り挨拶が終わると、ご住職がお持ちになられた、位牌を見せながら、故人様の戒名に込められた意味を説明。

通常戒名は

男性なら「〇〇〇〇信士」

女性なら「〇〇〇〇信女」

もちろんお布施の相場があって、その額にあわせて戒名が長くなったり、居士(大姉)や、院居士(院大姉)になったり、グレードはいくつかあるけど、一般的には信士、信女の二文字を含めて六文字の

「①②③④信士」

「①②③④信女」

上記の形が圧倒的に多い。なんせ一番リーズナブル。

って言っても何十万ですけど・・・

最後にご住職が一言。

ノリが軽い僧侶
住職
「亡くなったお父様には、先代の頃から大変おせわになりましたので、今回は①②③④⑤信士の合計7文字で付けさせていただきました!」

ちなみに足された一文字は【誉】

この一字が入ると誉号(よごう)と言って、浄土宗ではワンランク上の戒名となる。

恐縮する喪主さん。

喪主さんからの意向を聞いた後、僕がお寺さんそれを伝えてグレードは決めてある。当然喪主さんも全六文字の信士タイプのお布施しか包んでいない。

喪服男性
喪主
「大変に有難いんですが・・・お布施も一番一般的な額しか包んできていませんで・・・」

狼狽する喪主さんにご住職が笑顔で、これまた超軽~い口調でひとこと。

ノリが軽い僧侶
住職
「気にしないでくださいよ。【誉】一文字は私からの気持ちですので、サクッとサービスしときました!」

サクッとサービスって・・・

軽っ!

もうそれは居酒屋のおかみさんが常連客に、

気さくな女将
女将
「小鉢ひとつサービスしときますんで」

的なノリと全く同じですよ・・・

本来は【誉】が一文字増えると十万円くらい違ってくるんですから!

住職、もっと「重み」と「有難み」全面に出してこー!!

って言っても、一文字十万円って・・・それはそれで考えなきゃいけないこと満載な気もするが・・・

それはさて置き相変わらず軽いな~

住職控え室から微かに流れてくるももクロの鼻歌に、思わず吹き出してしまいそうになった話。

くどいようだがマジで軽い・・・

ってか葬儀前の鼻歌のチョイスどうなってんねん!?

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