とんでもない遺族の話
生活保護受給者が絡む葬儀の場合、葬儀代金は葬祭扶助制度を利用して行政が負担します。
日本国憲法に謳われるいる、最低保証の一環で、これを福祉葬(民生葬)と言います。
- 対象者が生活保護を受けており、葬儀を行える近親者がいないか、いても葬儀を行える金銭的余裕がない。
- 対象者にも資産がなく、また葬儀を行う近親者も生活保護を受けており、金銭的余裕がない
金額は自治体により若干の幅は有りますが、おおむね20万円前後までと決まっています。
金額的に火葬式(直葬)しか出来ず、原則お坊さんを呼んだり、食事をしたりすることは出来ませんが、搬送や安置に関する一切と、棺、骨壺、火葬料といった火葬に必要な最低限のサービスは全て含まれているため、ご遺族の金銭的負担は基本的にありません。
(例 東京23区は最高206,000円までなので、各葬儀社が自社プラン等を参考に、~206,000円までの金額を役所に請求する)
それでは本題。
ご依頼いたただいたのは、23区にお住まいだった、生活保護受給者の方の葬儀。
駆け付けた他県に住む娘さん夫婦も金銭的余裕がないとのことで、福祉課の担当と話をして、葬儀は福祉葬で執り行うことに。
故人宅で申込書を書いてもらったその足で、役所の福祉課に出向く予定にしていた。
本来、福祉課には葬儀社だけが出向いて必要な手続きを進めるのだが、ここ数年は疎遠だったこともあり、晩年の親の様子を聞きたいと、娘さんも一緒に福祉課に出向くことに。
遺族に尋ねる福祉課担当職員。
チャリ~ン
ジュ、ジュウイチエン!?
今どきの小学生のほうがよっぽど金持ーとるわい!!!
処理が面倒くさいことになるだけだし、もうええやろ?所持金無しで。
天を仰いで考え込む福祉担当者。
ナイス!ジャッジ!
真面目か!?
そりゃ、真面目だよね・・・公務員だもの・・・( ̄□||||
ホント、だーれも悪くありません。
むしろ正しいことをしているのに、何故かみんながちょっとずつ傷ついてるのは何故でしょう???
地味に事務処理がひとつ増えたし・・・
でも、まぁ本音は『そもそも10円程度なら、別に馬鹿正直に言わなくてもいいんじゃね???』
って正直、思ったとんでもない遺族の話。
ちょっとだけね。