【仰天の事実】葬儀屋史上最高にびっくりした出来事!(目を疑うハプニング!?)

「今までに最高にびっくりした出来事や、ハプニングを教えてください」

そんな質問をいただきました。

こんな商売をしていると、有り得ない出来事に遭遇することは希にありますが、折角なのでそのうちのひとつを書いてみたいと思います。

もうハプニングと呼んでいいのかどうかすら疑わしい仰天事件なのですが・・・

もう、3-4年ほど昔の話になろうか。

その年の冬、50代後半の男性が意識不明の重体で救急搬送された。

不慮の事故だった。

2ヶ月に及ぶ家族の献身的な看病も虚しく、意識が戻らないまま、医者から下された宣告は、非情なものだった。

医者
医者
「すぐに今後の準備を始めてください。」

私が彼らと最初に出会ったのは、その直後のことだった。

病院からその足で来たという彼らはひどくやつれ、狼狽しているように見えた。

妻が重い口を開く。

妻
「夫がもうダメなんだそうです・・・今後の準備を進めるようにと、病院の先生から言われまして。。。」
色即是空
「そうですか。それは何と申し上げて良いか。。。しかし、あくまでも【万が一】の時の為です。まだ、亡くなった訳では有りませんのから、気を強く持ってくださいね。」
妻
「はい。。。」

少し話をすると、奥さんの表情が徐々にではあるが柔らかくなる。

妻
「私たちも回復すると信じて疑わなかったもので、息子と2人で突然の宣告にオロオロしてしまって。でも少し落ち着きました。」

しかし、奥さんとは裏腹に、隣に座る息子さんの表情は一向に冴える気配がない。

二十代後半だろうか。

この若さでは、突然父親がいなくなるという現実を受け入れられないのも無理はない。

私が逆の立場なら、同じだっただろう。

息子
息子
「すいません。ちょっと気分が悪いんで、休んでても大丈夫ですか?」

今にも消え入りそうな声で、息子さんが切り出す。

 
「大丈夫ですよ。イロイロ有りすぎて、疲れたんでしょう。少し休んでください。」

後ろのソファーに案内してから、奥さんと【万が一】の事態に備えて、打ち合わせに入る。

ある程度話しが煮詰まって来た頃、

ドサッ!

突然後方で大きな物音した。

振り返ると、息子さんがソファーにひっくり返って、白目を向いている。

体は小刻みに痙攣している。

 

 
(本気でやばいヤツだ!)

 

瞬間的にそう思った。

 

慌てて駆け寄り、とっさに手首に触る。

こんな時は、2時間物の刑事ドラマで得た浅い知識でもってしか行動出来ない。

脈がめちゃくちゃ弱い!

震える手で携帯を取り出し、救急車を呼ぼうとするが、何度も掛け間違えて、なかなか電話がつながらない。

それでもようやく電話をかけ、電話口でがなり立てる。

 

「救急車!救急車!マ、マ、マジでヤバイんです!すぐ来てください!!!」

上手く口が回らない。

もう自分でも何を言っているのか分からない。

永遠に続くと思われるほど長い時間(実際には10分弱だったようだが)が流れ、けたたましいサイレンとともに救急車が到着し、そしてまた走り去って行った。

呆然と立ち尽くす私たちを残して。。。

それから少しして、会社の電話が鳴る。

電話を取った事務員が、深刻そうに話し込む。

胸騒ぎが止まらない。

はたして悪い予感は的中した。

病院で息子さんの死亡が確認されたとのこと。

不自然死の遺体は病院から所轄の警察署に回され、早ければ翌日には検案が行われることになるだろう。

東京23区の場合、警察での検案で不審な点が見受けられる、あるいは死因が特定されなければ、大塚にある東京都監察医務院に送られ、解剖されることになる。

翌日、担当刑事から呼び出しを受けた遺族と共に、所轄の警察署に向かうことになった。

幸い解剖には回らず、その場での遺体の引き取りが可能だった。

警察には故人の叔父に当たる人物だけで、奥さんがいないのが気になったが、取りあえず浴衣に着替えさせ、遺体を搬送車に乗せる。

車を発進させようとしたその時、私の携帯が鳴る。

事務員
事務員
「旦那さんが亡くなったらしいので、そのまま病院に向かってください。処置が終わったら遺体を引き取ってきてください。」

事務員からの残酷すぎる電話だった。

嫌な胸騒ぎがして、もう一台お迎えの車をスタンバイさせておいたのだが、どうやら胸騒ぎは事態は現実のものとなってしまったようだ。

病院は警察からほど近い場所にあった。

私の到着から遅れること5分。もう一台の搬送車両も病院に到着する。

沈痛な面持ちの病院関係者の面々に見送られ、親子の遺体を乗せた搬送車は、静かに病院を出発した。

葬儀は2人の合同葬となった。

祭壇中央に棺が2つ仲良く並んでいる。遺影は家族でキャンプに行った時のものだそう。

息子の肩に手を回し、満面の顔でピースをする父と、照れ臭そうにはにかむ息子。

2人の笑顔がキラキラと眩しい。これがもし祭壇ではなく、どこかの家のリビングにでも飾られいれば、どこにでもあるような仲睦まじい親子の写真だ。

「何をするにも一緒で、本当に嫉妬するくらい仲の良い父子だったので、1人で逝くのがよっぽど寂しかったんでしょう。」

遺族親族の御礼の挨拶で奥さんが絞り出す声に、会場全体が再び深い悲しみに包まれる。

心から愛する我が子を連れて逝く親などいるものか。。。

(写真はイメージ)

葬儀が終わり、位牌・遺影・遺骨を安置する後段やら、弔電やら、供物やらを届ける。

落ち着いたところで、遺影の写真に目をやりながら、奥さんが旦那さんの最期の様子を話してくれた。

妻
「あの人、最後まで意識が戻らなかったんです。でも私が、『〇〇(息子)があっちに逝っちゃったのよ。向こうで待ってるから、もう頑張らなくて良いんだよ。あの子が寂しがるから、早く行ってあげて。』って言ったら、あの人、涙を流したんです。先生はもう外部からの言葉には反応出来ないはずだって言うんですけどね。でもたぶん伝わったんでしょうね。それから少しして、静かに逝きました。」
色即是空
「きっととっても良い人たちだったから、神様が手元に置いておきたかったんでしょね。」

私にはそう答えるのがやっとだった。

しばらくの沈黙の後、奥さんがポツリと呟く。

妻
「この世に神様なんて、いるんですかね。。。」

重すぎるその言葉に、私にはもう返す言葉は残っていなかった。

神仏が存在するのかどうか。それはたぶん誰にも分からない。

あるのは神仏の存在を信じて今日も一身に祈る者、己の信じる神の為に互いに殺し合う者、華やかな芸能界での成功を捨てて、「出家」する者。。。

混沌としたこの三界穢土(【仏教用語】欲望渦巻く汚れた土地、浄土に対するこの世のこと)の人間世界と、そこにこだまする生者の咆哮(叫び声)だけだ。

諸行無常にして、会者定離。

この世は常に移り変わるものであるからにして、出会ったものは必ず別れなければならない。

そして、その日は突然にやってくる。

死の前には年齢も地位も季節も環境も、一切の意味を持たない。

理不尽だど言う人がいる。ひどすぎると嘆く者がいる。

しかし、愛するの者との別れの悲しみを心に抱えながら、それでも我々は前を向いて生きていかねばならないのだ。

【生きることは苦しみ】

そんな釈迦の言葉がふと脳裏をよぎり、そして冬の空へと消えて行った。

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