「死んだら灰になるだけさと笑っていた・・・」
長渕剛の『ガンジス』に登場する歌詞を持ち出すまでもなく、日本は遺体の火葬が義務付けられています。(『ガンジス』はインドを歌った歌ですが・・・)
そこで、遺族に良く聞かれることを中心に、火葬場のあれこれについて簡単にまとめてみました。
遺骨の色が変化するのは何故?
時々、火葬された遺骨の色が、ピンクや緑に着色されている箇所が見受けられます。
故人の体の悪かった場所!
とうい間違った定説がまことしやかに唱えられています。
「この色の付いているところ、大腿骨だろ?ばあさん、ここを骨折してから、思うように歩けなくなったんだよ。やっぱりな~」
なんて得意げに言っているおじさんは隣にいませんか?
実は、体調とはまったく関係ありません。
では何なのか?
実は皆さんがお棺に収めた生花や、衣類等の副葬品の色が付着したものなのです。
何度も言いますが、体調とはまったく関係ありませんので、ご安心?ください。
喉仏(のどぼとけ)
仏様が座禅を組んでいる様子に見えることから、「喉仏」と名付けられた骨の一部。
「喉」という字が付いていることから、体全面の喉の骨かと思いきや・・・
実は背骨にある第二頚椎(首の後ろ)の骨なんです。
(頚椎)
ちなみに仏教とは全く関係ありません。
よって仏教と土着の風習を結びつけることに厳しい目を向ける浄土真宗の僧侶の中には、火葬場のスタッフが喉仏の説明をすることを禁止する人も多くいます。
「箸渡し」は何でやるの?
二人人組で遺骨を掴んで骨壷に入れる「箸渡し」。通常男女がペアになって行います。
「あの世(三途の川)への橋渡し」という意味合いが込められているとか、手で触るのは失礼だとか、色々と言われていますが、実際は
熱いから!
です。
今は冷却装置が有り、そこそこ冷やしてくれますが、昔はそんな物ありません。
じっくり冷めるのを待つなんて手もありますが、俺たちそんなに暇じゃない!って言うんで、手っ取り早く「箸」を使ったのでしょう。
ちなみに二人で行う本当の理由は、普段やらないことをやることで、「不幸が続きませんように・・・」という願いを込めるためだと言われています。
ご飯にお箸を差したり、首都圏ではあまり見られなくなりましたが、洋服を逆さまに着せたりするのも同じ理由だと言われています。
「喉仏の説明」同様、仏教の教義とは無関係であるため、浄土真宗では「橋渡し」自体を禁止する僧侶も多くいます。
骨の色と量
骨の量は男性で3㌔~3.5㌔くらい、女性で2.5㌔~3㌔程度が一般的です。
火夫が燃え加減を調整しているのですが、いずれにせよ燃えればそれくらいの量になってしまいます・・・
骨になっても圧倒的な存在感の恐竜とは訳が違いますね・・・
色は男性がどちらかというと灰色、女性がどちらかというと白っぽくなると言う葬儀屋や火夫(火葬場のスタッフ)もいれば、男女による色の差は無いという人もいます。
関東と関西で大きさの違う骨壷(骨瓶)
関東と関西では使う骨壷の大きさが異なります。
関東では7寸(約21cm)、関西では5寸(15cm)が主流です。
これは関東では遺骨をすべて、関西では遺骨の一部を壷に収める、という違いがあるからです。
原因はよく分かっておらず、言うなれば「地域性の違い」ということになるようです。
分骨
形見として分骨を希望したい。
そんな場合は事前の届出(分骨許可証)が必要です。火葬場で遺骨からペンダントなどを作るなどの場合は、葬儀屋が前もって分骨許可証を申請してくれますが、そうでなければ用意はしていません。
必ず前もって、葬儀屋にその旨伝えておきましょう。
有料となりますが、必要とあらば分骨用の小さな容器も用意してくれますが、ネット等で購入することも可能です。
(写真は【分骨】ではなく骨折www)
散骨
散骨については特に特別な届出や許可は要りません。
尚、2017年2月現在、法律上は【死体遺棄等の違法性がない場合においては、個人の自由】となっていますが、散骨を希望する遺族も増えており、今後は何らかの手続きが必要になってくる場合もあります。ご注意ください。
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