【とんでもない遺族の話】
とんでもない遺族の話(という程のモノでもありませんが・・・)
3人だけの小さな小さな秘密の話。
とある60代中盤の女性の葬儀。
子供はとっくに独立。定年退職後に、夫婦二人、水入らずで余生を楽しんでいた矢先の急死だった。
妻の生前、2人で出かけて撮った写真をアルバムにして残したい、そんな思いからお遊び程度だがPCも習い始めた。

喪主様(夫)は寂しそうに笑いながら、そう呟いた。
葬儀では妻(故人)との思い出の写真を沢山飾りたい。
残された夫の願い。
ドライアイスの交換で自宅を訪れると、ひとりPCに保存してある思い出の写真を印刷する喪主様の姿があった。

覚えたての機械と格闘する喪主様。
PCとは無縁の生活をしてきた夫が、亡き妻の為にと、一生懸命に彼女との思い出と向き合う。
その寂しくも微笑ましい姿に、こちらの頬も緩む。

だいぶ苦戦している様子だ。

そう言いながら、プリンターから出てきた写真を手に取って見る。
道端に打ち捨てられたボロボロのソファーと、それをついばむ一羽のカラス。
素敵な思い出写真ですね。自然と心が温かくなる。
って、そんな訳あるかー!!!

だろうね!
見るに見かねて声をかける。
喪主様即答。

でしょうね!
それがパソコンですからね!
ここで1曲。
そんなこんなで、喪主さんが写真を指名 → 私が多少の加工とレイアウト → プリントアウト
完全にそんな流れになってしまったのでありました。
まぁ、ご喪家が喜んでくれれば、何でも良いんですけどね。
ちなみに告別式の日の会話が、ちょっとツボりました。
遺族・親族部屋に喪主様を訪ねると、扉の向こうから喪主様と故人のお姉様の話す声が。


おい!
思いの外、故人のお姉様に褒められて、引っ込みがつかなくなってしまったんでしょうね。
部屋から出て来た喪主様の目にうっすらと浮かぶ涙を見て、大半は私が作りました!なんて、誰にも言う気にはなれませんでした。(もちろんそうでなくても、言いませんが)
それは私と喪主様と、天国の奥様だけのヒミツということで。
お姉さまの会話と共に、私の胸にそっとしまっておきますね。
あっ!
さっそくブログで書いちゃった!!!笑
故人様に心よりの哀悼の意を表して
合掌