【とんでもない会葬者の話】
葬儀では親族焼香の後に一般会葬者の焼香となります。
大きな斎場の場合は特に、通夜で焼香をした一般会葬者は遺族の前を通り、式場前方の扉から退場するといった導線が取られることが多くあります。
その際、喪主に話しかける会葬者がいます。
お年を召された方などは、長々と話し込む場合もあり、遺族と葬儀屋にとっては困り種でもあります。
しかし、上には上がいました。
長年連れ添った奥様の葬儀で、喪主を務めるのは高齢のご主人。
式は何事もなく進み、一般焼香へ。
焼香を終えたとあるご老人。
喪主様に近づき、
手を合わせて深々と喪主様を拝んだ後、二言三言話しかけてから退出。
ビビったのは次に順番待ちをしていたおばちゃん。前のじぃさん、なんだか知らんが喪主様に手を合わせて、何やらしゃべってる。
取りあえずお焼香後に、喪主様の元に行き、手を合わせる。
でも何を話してよいのかわからない。
取りあえず手を合わせているから、自然と出た言葉が、
次に順番待ちをしていた若いお姉さん、必死に聞き耳を立てて、あぁそうかってんで、
喪主様を深々と拝んで、
良くも悪くも「右へならえ」のお国柄。
伝言ゲームよろしく、この家の葬儀はそういうもんなんだ!ってな空気に・・・
郷に入れば郷に従え!
とばかりに、喪主様の前に列を作り、
それぞれ思い思いに念仏を唱え、喪主様に手を合わせて退出していく始末。
喪主様もどうしていいか分からず、ただただ、
って頭下げるから、相手も余計に、
「はぁ~、なんまいだ~、なんまいだ~」
ってなっちゃって、収拾つかない状態に。
葬儀っていうより、
新種の新興宗教みたくなっちゃった。。。
葬儀が終わった後に喪主様が一言
逝かせね~よ!
じゃなかった・・・
言わせね~よ!!!
近々曾孫が生まれるんだから、まだまだ逝かれちゃ困るんですよ!
奥さんの分まで長生きしてもらわないと!!!