みんなのお葬式体験談
特別は求めない!でもせめて人並みに畳の上で死にたい・・・
誰しもそんな思いを抱いたことの一度や二度はあるはずですが、だからと言ってまさか自分が人並みの死に方が出来ないかも・・・
そんなふうに本気で思っている人間も殆どいないでしょう。
高齢の祖父がいたのですが、歳を重ねる度に入退院を繰り返すようになり晩年は体を壊すようになっていました。
最後の入院の時に僅かに体調が良くなり、家に帰りたいと言い出したので許可を貰い帰宅しました。しかし3日後に体調が急変して、自宅で亡くなってしまったのです。
数日前までは元気に歩いていたので、亡くなるとは思っていなかったのですが、自分の布団の中で亡くなっていたのです。
朝に家族の者が気が付いた時には、すでに冷たくなっていました
家中がパニックになりましたし、突然の事に驚きを隠せませんでした。
警察も呼びましたが、事件性が無いという事で問題にはならず、その後にお葬式の準備に入りました。
業者の方に来て頂いて葬式の段取りに入りましたが、少しでも慰めて貰いたいと思う気持ちから葬儀社の方に聞いたのです。
祖父の亡くなり方は良い亡くなり方ですよねと訪ねたところ、幸せな亡くなり方だと思いますと慰めてくれたのです。
それから葬儀社の方が亡くなった方の例を上げてくれたのですが、聞いていて本当に心の痛む話でした。
一家5人が車で旅行に出かけたのですが、対向車が車線をはみ出して突っ込んできて、5人の乗った車と正面衝突をしたそうです。車は炎上をして中の5人は焼死をしてしまいました。
検視をして自宅に運ばれたのですが、損傷がひどい為に布団に寝かす事も無く、そのまま棺に入れられて、部屋に5人の棺が並んだのです。
遺影も5人分横に並ぶように置かれ、事故の大きさと無残な光景が忘れられなかったそうです。
棺の蓋をあけて顔を見せる事も出来ず、喪主である弟さんの憔悴仕切った顔が、未だに忘れられないと涙ながらに語り始めました。
火葬場では5人の棺が火葬炉の前に並び、順番に炉に入っていく姿がとても悲しく、今までの葬儀の中でも最も思い出したくない葬儀だそうです。
その話を聞いた時に私の祖父は病気で亡くなった訳であり、自然死で自分の布団の上で亡くなったので、本当に幸せな死に方だったと思い心の荷が下りました。
感想・解説
一家5人一度に事故死・・・葬儀屋からしても「えげつない!」っと思ってしまうほど、悲惨な話ですね・・・いずれにせよ、葬儀屋の過去の体験談を元に「いかにおじいちゃんの死が幸せな死に方だったのか?」を検証するまでもありません。
- 長生き
- 子供と孫がいる
- しかも関係は良好で、心から悲しんでくれている
- 畳の上(屋内ということ)での最期
- それほど苦しんだ様子がない
- しかも自宅!
これだけ揃う人はまずいません。
間違いなく最高ランクの死に方!と言っても過言ではありませんよ。
そもそも身内の死を「もっと下がいるからこの人は幸せな死に方だった。」という比べ方をしてしまうのもどうかと思いますし。
ついつい比べたがる人間の性は理解していますが、命とはこの世での使命を全うして、生命の源へと帰ってくわけですから、幸せだったのか?などと考える前に、精一杯の感謝と敬意を持って送り出してあげましよう。
それでも・・・
やっぱり気になってしまいますか笑?
大丈夫!心配しなくても、あなたのおじい様は超幸せな最期でしたよ!