「みんなのお葬式体験談」変わったお葬式
葬儀の時、お香典を持ってきた人に心ばかりの品物を持って帰ってもらう香典返し(返礼品)。
地域によって様々な風習があるようですが、その内容にちょっとびっくりしたという投稿者さん。
はたしてその内容とは?
転勤で四国に住んでいた時のことです。夫が会社関係の方の親族の葬儀に参列しました。ご霊前を会社の名前で持って行きました。
帰宅した夫が御返しで持ってきたものを 開けると、なんとそれはそれは立派な香典袋と筆ペンセットでした。
それまでは静岡に住んでいたため、葬儀の参列した日は緑茶を持って返ってくるのが風習でしたので、それが常識だと思っていました。
立派な香典袋は、かなり親しい人にそれなりの金額を包む時につかわれるものなので、親族が亡くなるのをあらかじめ予想しているようで、大変不快になりました。
こともあろうに、この時、実母がいつ亡くなっても おかしくない状態でしたので、香典返しは会社に 持っていってもらいました。
近所の方にその土地の葬儀について聞いたところ、香典返しに香典袋と筆ペンセットは、昔からの風習とのこと。
しかも、お通夜では喪服は着ないのが普通で、地味な普通の服を着るとのこと。
葬儀も地域性があることを知り、驚いた出来事でした。
感想・解説
まさか返礼品が香典袋とは・・・
いやはや恐れ入りました。
返礼品の歴史
ひと昔の香典返しといえば、どでかい葬式饅頭。
(Photo by Katorisi Wikipedia)
「砂糖四キロ」なんていうのも定番でしたね。(流石にその時代は知りませんが・・・)
昔は甘いものが貴重な時代。せめて故人を偲んで参列してくれた皆さまへの心遣いに最大限の感謝をとの思いから、砂糖や饅頭といった甘物が返礼品として重宝されました。
時が経ち甘いものが珍しくなくなると、返礼品はお茶の時代へ。
そして近年では日本人が昔ほどお茶を飲まない時代となり、代わってコーヒーやお菓子の詰め合わせが主流となりました。
なぜ返礼品が香典袋なのか?
備えあれば憂いなし
誰でも不幸に対する備えは敬遠しがちなもの。しかしいつ大事な人の身に不幸が訪れないとも限りません。
昔はコンビニも夜遅くまでやっているスーパーもありません。突然縁のある人たちが亡くなった時に慌てないように、或いはみすぼらしい香典袋で恥をかかないように・・・
そんな思いなのでしょう。
メメント-モリ(死を忘れるな)
若者に人気のアクセサリー。モチーフの定番のひとつといえば、スカル(骸骨・ドクロ)。
元々は中性ヨーロッパにおいて貴族の間ではやった「メメントモリ(いつか自分が死ぬことを忘れるな)」から来ています。
スカルのアクセサリーは、かのナポレオンの遺品の中にも見られますが、スカルを身に付けることで、この世の春を謳歌する貴族といえども、いつ死ぬか分からないという戒めを忘れないためだったんですね。

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言うまでもなく死は誰にでも必ず訪れるものです。
香典袋を返礼品として渡すことで、「死を忘れるな」、「この世に人がいる限り、死は順番に受け継がれていく」そういったことを教えるためなんでしょうか。
通夜は普段着で参列
通夜に普段着で行くのは、訃報を聞いてそのままの格好で慌てて駆けつけたことをアピールする狙いから。
「香典にピン札を使わない」のも同じ理由ですが、用意周到、準備万端で葬儀に参列すると、あらかじめ不幸を予想していたようで忌み嫌われるからです。
昔は地域コミュニティ内のつながりが深い時代。周囲の人間から少しでも気分を損ねられないよう、様々な工夫と苦慮があったんですね。
首都圏ではまず普段着で参列する風習は無くなりましたが、変わった香典返しといい、まだまだ日本全国を見渡すと、様々な風習が残っているものですね。
最後に
何れにせよその地域に少し変わった風習が残っているなら、なぜそれをするのか?までしっかりと周りに伝えていかないといけませんよね。
昔と違って人の行き来が激しくなった現代。
昔からそうだったから当たり前では、他の地域から来た方は戸惑ってしまいます。
葬儀はそなんなに頻繁にあるものではありません。なので簡単なメモを返礼品に入れて渡すなど、多少の努力はあっても良いように思います。
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いやいや、読んでくださいm(_ _)m!