ネットで【小学生に聞いた「この職業のお父さんは嫌だ」】ランキングが酷すぎると話題だ。
01位:医者
小学4年女子「いつも女の子の体触っててキモい」小学3年男子「お前も医者になれとうるさい」
02位:スポーツ選手小学6年女子「スポーツは仕事とは言えない」小学2年女子「弱いから」
03位:先生小学4男子「親が先生だと余計に怖い」小学4年女子「ロリコンぽい」
04位:バンドマン小学2年男子「ダサい」小学5年女子「先行きが不安過ぎる」
05位:弁護士小学6年女子「犯罪者の弁護なんかして欲しくない」小学1年男子「検察になりたいから」
06位:ゲームクリエイター小学5年女子「大人がゲームとかキモい」小学3年女子「ゲームとか興味無い」
07位:大工小学6年男子「頭悪そう」小学3年女子「落ちて死んじゃうから」
08位:警察官小学4年女子「役立たずの癖に税金を貪ってるから」小学2年男子「消防士の方が格好いいから」
09位:営業職小学6年男子「いつもペコペコ頭を下げててダサい」小学1年女子「虚しそう」
10位:ラノベ作家小学6年女子「キモい」小学4年男子「とても友達には言えない」
バンドマンやラノベ作家など、何となく頷けるものもあるが、 1位の医者に弁護士、スポーツ選手に先生、警官・・・
大人からすれば一瞬頭をかしげたくなるような、そうそうたる面々が名を連ねる。
それにしても子供の目線とは、なかなかにして恐ろしい・・・
もっとも彼らが言う嫌いな理由は単なる後付けだろうから、有って無いようなものだろう。
彼らの本心とは一体?
父親は子供に嫌われることが仕事だ。
いわば子供に嫌われることは父親の運命だ。
いきなり何を言い出すのかと思うかも知れないが、私の考えを端的に語ってくれている文章があるので、まずはそちらを読んでいただきたい。
「父親は、子供から嫌われることが仕事なのよね」
以前、行きつけの美容院のおばさんが小さな声で言った言葉に、私は妙に納得してしまったことがあります。
私の母と同じくらいの年齢のおばさんでした。
私と同じ年の息子さんをお持ちということもあり、共通点が多く、話がよく弾んだものです。
母に髪を切られているような心境になっていました。
上記の言葉は、そんな親子について会話をしたときに出た言葉です。
父親母親それぞれの「親としての役割」は大きく異なりますが、とりわけ父親は子供から嫌われることが父親の役目となります。
嫌われるような父親にならないといけない。
そう聞くと「信じられない」と思うでしょう。
しかし、子供から「うちの父はなっていない!」と言われるようになり、初めて父としての役目ができているのです。
私も、学生時代は、父親が嫌いでたまりませんでした。
この世で一番嫌いな人であり、否定をしてきた存在でした。
子供としては、大嫌いな親を乗り越えようとしているからこそ反論、反発、否定をして、その力をばねに成長していくのです。
物心がつき、判断ができて、自分の力で生きていけるようになれば、親からの保護を自分から断ち切り、自分の道を選び進みます。
それは往々にして「父が嫌い」「親なんていらない」という曲がった言葉として表現される場合が多いのです。
私の父も強い威厳があり、怒れば怖い父親でしたが、父親としての仕事ができている証拠でした。
幼い私は、その威厳に逆らうことができず、従うしかなかった。
幼稚園や小学生のころは、その圧力に従いながら成長しますが、中学から高校にかけて、たまったストレスは一気に噴き出します。
父の威厳により、子供は父を否定し、乗り越えたい欲求が大きくなります。
反抗期が、その代表例です。
いずれ子供は、親元から離れていく。
当時の私にしてみれば、高校卒業後のアメリカへの留学がそれにあたります。
「アメリカへ行きたい」という気持ちより、親から離れたいという反発力のほうが強くて、圧倒的な原動力となっていました。
そのくらいに父が嫌いでしたが、結果として今、成長できている自分がいるのです。
私はまんまと、父からの教育どおりに育ってきたということです。
父は、子の教育のために威厳を出し、出した威厳のために子供から嫌われ、子供は反発力をばねに成長していったのです。
命を懸けた教育だったのです。
だから今の私がいます。
父は子育てをしていない、と思っていた私が間違っていたのでした。
父は、自分を犠牲にすることで、子を育てていたのでした。
「父親は、子供から嫌われることが仕事なのよね」という言葉は、自分の過去を照らし合わせて、そのとおりだと思ったのです。
尊敬される父親になる30の条件 Happy Life Style
どうだろうか?
私も小さい頃、父親が大嫌いだった。
父親の仕事は公務員。
お堅い性格で、何事もきっちりやらなければ気が済まない性分。
もし私が小学生の時分に上記の質問を受けていたら、やはり「公務員」と答えていただろう。
物事を完璧にこなし、何でも知っている博学な父親。
どうやっても勝てない存在。そうした存在にがっちり頭を押さえつけられている気がしてならなかった私は、どうにかして父親の呪縛から逃れようとあがいたものである。
現在の私は周りから「博識だ」と言われることが多々ある。
人一倍旺盛な好奇心がそうした人間を作り上げたわけだが、それは取りも直さず、父親を超えたい一心で、あがき続けてきた何よりの証だ。
今は父親のことを非常に尊敬しているし、心から感謝もしている。
そういった意味で、父親の教育は正解だったと言えるだろう。
さて話を元に戻そう。
今一度ランキングを振り返ってみると、
医者・弁護士・スポーツ選手・先生・弁護士・警官・大工・・・
小学生のアンケートには、「威厳」に満ちた職業が並ぶ。
あくまでも私の感想だが、これは威厳に満ちた父親に頭を押さえつけられ、彼らを越えようと必死にあがく、子供達の成長する声なのではないだろうか?
だからこそ嫌いな理由はなんでもいい。兎にも角にも嫌いなわけだ。彼らなりにそうした事実に無理やり理由をつけようとするから、とんでもない答えが返って来る。
順調に成長している何よりの証だ。
そう遠くない将来、子供達の「嫌い」は「尊敬」に変わっていくだろう。
そう言った意味でも、このアンケート結果は決して悲観するものではない。
とは言うものの、世の中のお父さん達にとっては、何とも酷な結果であることは間違いないだろうが・・・
あわせて読んでいただけると有難いですm(_ _)m