棺に入れられない副葬品

棺に入れて火葬する副葬品。

故人にあの世に一緒に持って行ってもらいたい。

愛用していた品や好物だった食べ物など、あれもこれも入れてあげたい気持ちはわかりますが、お釜や遺骨を痛めてしまうため、どれもこれもOKと言うわけにはいきません。

ひとつの基準として、東京都内の都営火葬場で禁止されている副葬品をご紹介します。

ダイオキシンの発生、大気汚染、公害の原因となるもの

  • 石油化学製品(ビニール・プラスティック製品・玩具・化学繊維等)
  • 塩素系消毒剤 など

危険物

  • スプレー缶
  • 電池
  • 金属製品
  • カーボン製品(釣り竿・ゴルフクラブ・ラケット等) など

遺体の不完燃焼の原因となるもの

  • 厚手の寝具
  • 書籍
  • 果物
  • 過剰の量のドライアイス など

その他危険なもの

  • ガラス製品(メガネ・ビン・食器)
  • アルミ製品
  • 湯たんぽ など
棺の中には公害、火葬炉の損傷、不完全燃焼等の原因となる上記の副葬品は入れないでください。

とんでもない遺族の話

結婚・・・それは言うまでもなく、人生における最重要級のイベントのひとつであり、最大級の喜びでもあります。

たった紙切れ一枚で、全くの赤の他人が、夫婦として、倫理的にも社会的にも大きな権利と責任を保有をすることになる。

たかが紙切れ一枚、されど紙切れ一枚・・・

遺族の代理で死亡届を役所に提出する葬儀屋にとっては、令和に改元されたてしばらくは、館内に溢れかえる婚姻届け待ちのカップルに交じって、精神的にも肉体的にも大きな負担を強いられましたが、婚姻届けの提出は一大行事ですよね。

とある日の早朝、都内の病院にご遺体の引き取りに伺った。故人は50歳くらいの女性。

病院で待っていたのは、依頼者である若干ファンキーな60歳手前くらいの男性と故人の両親だった。

軽く葬儀内容の説明をしていると、男性がおもむろに口を開く。

ファンキーな男性
男性
「ところで死亡届はいつ提出するんだ?」
 
色即是空
「ご火葬までお時間があまり有りませんので、できればこの後すぐか、最悪でも明日の午前中くらいまでには提出させていただきたいと考えております」

火葬するには管轄する役所に死亡届を提出し、火葬許可書を取得することが必須条件となる。

何かの手違いで火葬当日許可書が手元に無いといった事態を防ぐため、よほどの事情がない限り、前日までに葬儀屋が代行で手続きをすることが一般的だ。

ファンキーな男性
男性
「明日の午前中、いや今日の夕方までで良いので(死亡届の提出を)待ってくれないか?」
 
色即是空
「と、おっしゃいますと?」
ファンキーな男性
男性
「死亡届が受理されてしまう前に、役所に婚姻届けを出したい」
 
色即是空
「はぁ・・・どなたの?」
ファンキーな男性
男性
「私と故人の(婚姻届け)に決まってるだろ」

馬鹿な!?

びっくり

ファンキーな男性
男性
「どうだ?イケるか?」

イケるかー!!!

 
色即是空
「いや・・・やったことないので分かりませんが、絶対にイケませんよ・・・それにそもそも婚姻届けなんてあるんですか???」
ファンキーな男性
男性
「俺が書く!!!」

力強い!無駄に力強い!泣

ファンキーな男性
男性
「心配するな。紙とペンと印鑑があれば、3分で作成可能だ」

仕事が早い!!!

って、感心しとる場合かー!!!

そいつはまずいって!!!

誰がどう考えたって、完全にアウトだろー!!!

 
色即是空
「私文書偽造だか公文書偽造だか、詳しいことは分かりませんが、完全に犯罪かと思われますが・・・」
ファンキーな男性
男性
「大丈夫。迷惑はかけない。君は何も聞かなった。私が勝手にやったことだ」

なんか映画のワンシーンで見たことある~♪

カッコよくてだまされそうなっちゃったけど、絶対に何かが間違ってるって!!!

ファンキーな男性
男性
「死亡届が提出される前なら、調べようがないから出してしまえばこっちのもんだ!それじゃ、死亡届は夕方に頼む!」

ポジティブ感半端ない・・・

 
色即是空
「いや、しかし・・・」
ファンキーな男性
男性
「結婚しようと言い続けて15年が経ってしまった。病気になって今度こそ婚姻届けを出そうと、つい一か月前に二人で話し合っていたところだ。故人の遺志なんだ。頼む!m(__)m」
 
色即是空
「事情はお察ししますが、絶対にやめたほうが良いですよ・・・」

もちろん全力で止めましたが、最後まで「止める」とは言ってくれませんでした。

もう好きにして・・・その代わりどうなっても知りませんから・・・

婚姻届けの受理条件と扱い

後から却下されることは明白ですが、念のため馴染みの役所(今回の依頼者の管轄地域ではない)に確認をして、回答をいただきました。

正式な回答は以下の通り

婚姻届けが提出された時点で死亡届が提出されていなければ、現存する人物ということで一旦は受理される可能性は高い。

しかし死亡届が提出された時点で戸籍の再照合を行うので、この時点で却下される。

根拠は婚姻届けとは、提出するまさにその瞬間、双方の結婚に対する意思が確定していることが条件であり、死者の意思は確認不可となるため。

つまり例え逝去直前に本人が直筆で記入したものであっても、正式に受理されることはない。

至極真っ当な回答ですね・・・

それにしても、役所の慌てっぷりが半端なかった・・・

「うち(管轄地域)ですか!?うちですか?」

って、めちゃめちゃ焦ってたな~

そりゃそうですよね・・・

ちなみに後日談としては、一応婚姻届けは提出したが、案の定、即日却下されたそうです。

幸い直後に私が死亡届を提出したので、婚姻届が未処理の状態で却下されたことと、事情を鑑みて情状酌量の余地ありとのことで犯罪には問われなかったそうですが、役所からこっぴどく怒られたと男性。

皆さん、くれぐれもマネしないでくださいね。

それにしても人生なんていつ幕が下されるか分かりません。

思い立ったが吉日です。

結婚を迷っている方は、手遅れにならないうちに今すぐ婚姻届けの提出を!

離婚届の偽造は【有印私文書偽造罪】となり、3ヶ月以上5年以下の有罪
役所に提出した場合は【偽造有印私文書行使罪】となり、3ヶ月以上5年以下の有罪
役所が受理して戸籍に虚偽の記載がなされた場合は【電磁的公正証書原本不実記録罪】となり、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金
 

年を重ねるということ

少し前のこと。

ひょんなことから、とある会社の新入社員さんと1日仕事をする機会があった。

待ち合わせ場所は早朝の池袋駅。

一足先に池袋駅に降り、待ち合わせのカフェで時間を潰していると、新人さんが今にも死にそうな顔をしてやって来た。

無理もない。毎度のことながらラッシュ時の埼京線の、あの殺人的な込具合には、辟易させられる。

私は小さい頃からの経験で、慣れっこになってしまったが、群馬出身の新人さんは、ラッシュなど経験したことがないらしい。

「東京は恐ろしい・・・」と心底身震いしながら、呟いていた。

まだ時間も早かった為、しばし休憩することになった。

新人さんから「埼京線って、昔からこんなに混んでるんですかね?」と聞かれたので、

「昔、赤羽線と呼ばれていた頃は、ショボイ電車だったのに・・・」と呟くと、新人さんが目を丸くした。

「えっ?何ですか、その電車?」

そこから昔話が始まった。

意識しているつもりはないのだが、どうも若い人を目の前にすると、昔話に熱が入る。

若い時分はやたらに昔の思い出ばかり老人達を疎ましく思っていたが、私も年を取った証拠だ。

赤羽線の歴史

私が物心ついたばかりの頃は、あの辺りを走る電車といえば、まだ赤羽~池袋間を走る赤羽線の時代。

現在の様な環状運転が1925年から開始されていた山手線などに比べ、埼京線は比較的新しい電車だ。

私たち家族は池袋の住んでいた親戚に会いに行くため、頻繁に利用していた。

幼心に憧れの電車だったことを覚えているが、その後すぐに埼京線に取って代わられてしまった。

大宮止まりだった東北新幹線を上野まで延伸する際に、地元住民とJRが対立。新幹線の線路に新たな在来線を併設することを条件に、双方が合意。

1985年に赤羽~池袋間を走行していた赤羽線、赤羽~大宮間に新設された在来線、大宮~川越間を走行していた川越線が統合され、埼京線が誕生したのだ。

更に言えば私の記憶では、埼京線が本格的に混み始めたのは、埼京線が新宿まで延伸され、1990年に東京都庁がそれまでの丸の内から、現在の西新宿に完全移転してから。

これを機に殺人的な混み具合を誇る電車になったような気がする。

昔話はこの辺にしておくが、新人さんにとっては全く未知の世界。

22歳の彼からすれば、都庁と言ったらあの都庁しかない。「あれ以外の都庁」と言われても、宇宙人の会話みたいなもので、全くもってピンと来ないらしい。

同様に埼京線は、生まれた時から埼京線だ。多少大げさに言わせてもらえば、はるか昔からある電車なのだ。

「生きるのが大変な時代っだったんですね~」

と胸にグサグサ刺さる発言を飛ばしつつ、鳩が豆鉄砲でも食らったような顔をしながら聞いていた。

昔、私が大学を卒業し、商社に入社した頃のこと。

ある程度すれば、もれなく月の半分は全国各地を出張をしている様な会社だったが、古株の先輩社員から、

「東海道新幹線が無かった時代の出張は、本当に大変だった」という話を聞かされた。

失礼にも「大阪方面へは主に夜行(列車)で?」と聞いてしまい、危うく会社の近くを流れる隅田川に放流されそうになったが、恐らくあの時の先輩社員も同じような心境だったのだろうか・・・

歴史を振り返るというのは実に興味深い。

当たり前だと思っていたことを、いとも当たり前の如くに破壊してくれる。

先人が脈々と積み上げてきたこの国の歴史。

風の前のチリ程の量だったとしても、正真正銘私自身もその一端の担い手。

多少なりとも歴史が語れるようになったのか・・・

そう思えた時、より一層この国が好きになる。

間違いなく肌で感じた歴史を語れるということは、年を重ねる醍醐味だ。

これからも多少若者に煙たがられようが、脈々と続くこの国の歴史の一端を語っていきたい。

なんて、少々大げさな事を考えてみたりする今日この頃なのである。

【スンニ派】と【シーア派】

何かとよく目にするイスラム教の二大勢力、「スンニ派(或いはスンナ派、スンニー派とも呼ばれる)」と、「シーア派」。

いったいこの2つの派閥はどう違うのだろうか?

イスラムの歴史の流れを追いながら、宗派の違いを誰でも分かるように簡単に解説する。

開祖『ムハンマド』の時代

西暦610年

ムハンマドがアッラー(アラビア語で【神】の意)への信仰を説き始める。

ムハンマド
ムハンマド
「よし!これからはアラーの教えに則って、規則正しく生きていこう!」

その後時は流れ・・・

ムハンマド
ムハンマド
「私はもう長くはない。みんな力を合わせて仲良く生きていくのだぞ・・・」

西暦632年 ムハンマド死去

初代正統カリフ
『アブー・バクル』の時代

スンニ派
スンニ派
「やべぇよ!ムハンマド様、後継者決めずに死んじゃったよ!」
スンニ派
スンニ派
「イスラム教徒の混乱必至!」
アブー・バクル
アブー・バクル
「心配には及ばん!ムハンマド様亡き後、彼の長年の側近にして義父でもあるこの私が、正統カリフ(最高権威者)として、イスラム共同体を束ねていくぞ!」
スンニ派
スンニ派
「頼んだぞ!アブー・バクル!」
※スンニ派の名称は「ムハンマドの慣行・慣習(スンナ)、つまり生前の行動や行いに従う人々」の意から。
シーア派
シーア派
「勝手は許さんぞアブーバクル!時期カリフは世襲制だ!」
シーア派
シーア派
「ムハンマド様の息子は皆死んでしまったが、自身もムハンマド様の従弟にして、後に養子、更にムハンマド様の娘ファーティマの夫でもあるアリー・イブン・アビー・ターリブ(以下「アリー」)こそ、最も血の濃い男性血縁者であり、次期カリフにふさわしい!」
※シーア派のシーアとは、アラビア語で「党派」の意味。つまり「(アリーの)党派」ということ。
スンニ派
スンニ派
「やかましー!!!」

o(`ε´)=====〇 バキッ!! ☆))XoX)

西暦632年

アブー・バクル即位

その後時は流れ・・・

アブー・バクル
アブー・バクル
「私の病魔はもうすぐ私の命を飲み込むだろう。後は頼んだぞ・・・」

西暦634年

アブー・バクル病気により死去

2代目正統カリフ
『ウマル・イブン・バッターブ』の時代

ウマル
「アブー・バクル亡き後は、ムハンマドの4番目の妻の父である私が、2代目正統カリフだ!」
スンニ派
スンニ派
「頼んだぞ!ウマル!」
シーア派
シーア派
「勝手は許さんぞウマル!今度こそ次期カリフは世襲制だ!」
シーア派
シーア派
「血の繋がりのないお前など出る幕ではない!アリーこそ、最も血の濃い男性血縁者であり、時期カリフにふさわしい!」
スンニ派
スンニ派
「やかましー!!!」

o(`ε´)=====〇 バキッ!! ☆))XoX)

西暦634年

ウマル・イブン・バッターブ即位

その後時は流れ・・・

ウマル
「待て!殺すでない!話せばわかる!!!」
ウマル
「ぐわー!!!(断末魔の叫び)」

西暦644年

ウマルが個人的に恨みを買った奴隷により暗殺される

3代目正統カリフ
『ウスマーン・イブン・アッファーン』の時代

ウスマーン
ウスマーン
「よし、これからはムハンマド様と妻ハディージャに次いで、世界で3番目にイスラム教に入信し、ムハンマド様の娘を2人も嫁に貰った私が3代目正統カリフだ。」
スンニ派
スンニ派
「頼んだぞ!ウスマーン!」
シーア派
シーア派
「勝手は許さんぞウスマーン!今度という今度こそ次期カリフは世襲制だ!」
シーア派
シーア派
「同じ娘婿と言えどもアリーこそ、最も血の濃い男性血縁者であり、次期カリフにふさわしい!」
スンニ派
スンニ派
「やかましー!!!」

o(`ε´)=====〇 バキッ!! ☆))XoX)

西暦644年

ウスマーン・イブン・アッファーン即位

その後時は流れ・・・

ウスマーン・イブン・アッファーン
ウスマーン
「ブルータス!お前もか・・・」
ウスマーン・イブン・アッファーン
ウスマーン
「ぐわー!!!(断末魔の叫び)」

西暦656年 

ウスマーン・イブン・アッファーン下級兵士の反乱により殺害される

4代目正統カリフ
『アリー・イブン・アビー・ターリブ』

アリー・ イブン・ アビー・ ターリブ
アリー
「待たせたな!ムハンマドの従弟にして、後に養子、ムハンマドの娘ファーティマの夫であり、最も血の濃い男性血縁者である私が正統カリフだ!」
シーア派
シーア派
「よっ!真打!待ってました!」
シーア派
シーア派
「ちょいとばかし不埒者がのさばっていたが、あんな連中は断じて正統カリフとは認めん!アリー様こそ真の正統カリフであり、シーア派における初代イマーム(指導者)だ!」
スンニ派
スンニ派
「まぁ、ええんちゃう?」
スンニ派
スンニ派
「そんじゃあ、アリーが4代目正統カリフってことで」

西暦656年

アリー・イブン・アビー・ターリブ即位

その後時は流れ・・・

アリー・ イブン・ アビー・ ターリブ
アリー
「おいおい、こんだけ待たしといて、そりゃ無いぜー!!!」
アリー・ イブン・ アビー・ ターリブ
アリー
「ぐわー!!!(断末魔の叫び)」

西暦661年

アリーがモスクで祈祷中に暗殺される

正統カリフ以降

シーア派
シーア派
「次はアリーの子供達がカリフ候補ですな!」
スンニ派
スンニ派
「いや、もう正直ムハンマド様の直系とかどうでもいいんちゃう?」
シーア派
シーア派
「何だとぉ!?どうでも良いとは、どういうことやねん!?」
スンニ派
スンニ派
「これからはムハンマド様の慣例(スンナ)を大切に、代表はみんなで決めていこうや。な?」
シーア派
シーア派
「何ぬかしとんねん!勿論スンナも重要やぞ。重要やけど、それは二の次や!」
シーア派
シーア派
「一番重要なのはイスラムの精神は、ムハンマド様の直系にのみ引き継がれていくっていう、そこやろが!?」
スンニ派
スンニ派
「いやいや、もうムハンマド様の作られたイスラムの精神は、イスラム共同体である我々みんなに引き継がれたわけやし。直系が一人で背負っていく類のものじゃなくなってんねん」
スンニ派
スンニ派
「だからまぁ、そうカッカせずにさ。取り敢えず次期カリフは今一番力持ってるムァウィーヤってことで、ひとつヨロピク。彼を怒らせたら洒落にならへんぞ?」
シーア派
シーア派
「認めん!絶対に認めんぞー!何と言われようと次期カリフは、アリーの子供達だけじゃからのー!」」
スンニ派
スンニ派
「じゃかーしー!大多数の人間がそれで良いって言っとるんじゃい!嫌なら勝手にしやがれ!この石頭!」
シーア派
シーア派
「フンッ!」
スンニ派
スンニ派
「フンッ!」

どうです?これがスンニ派とシーア派です。

簡単でしょう?

※便宜上最初スンニ派とシーア派を完全に分けているが、もちろん早い段階から明確にそれぞれの派閥・組織が存在していた訳ではない。

相違点のまとめ

日本人の中には、例えば真言宗と浄土真宗のように、宗教そのモノの解釈の違いからくる宗派対立だと思っている人も多い。

しかしあくまでも根本的な原因は跡目争いであり、そこから派生した政治的な対立だということだ。

よってイスラム教そのモノの解釈とか、信仰という根本的な部分にはさほど違いはない。

スンニ派

ムハンマド以降の4人を正統なカリフ(最高権力者)と認める。  
ムハンマドからみんなで受け継いだ精神と慣例・慣行を大切に、4代カリフ以降は話し合いで王を決めていくべきだと考える。  
つまり・・・ムハンマドという絶対君主亡き後、その時最も相応しい代表を選ぶ民主主義的な立場からイスラム国家を運営しよういうのがスンニ派。  

シーア派

元々はアリーの支持者層  
ムハンマドとアリー、そしてアリー亡き後はその子孫しか正統なカリフとは認めない。  
世襲制による独裁国家的な立場からイスラム国を運営しようとするシーア派  

その他の相違点

その他の代表的な相違点も示しておく。

スンニ派はシーア派に比べで戒律を重視する。  
シーア派はスンニ派に比べて、戒律よりも信仰の内面を重視する。  
シーア派はスンニ派程には偶像崇拝を禁忌としていない。  

まとめ

勿論細かな相違点はこれ以外にも多々ある。

ネットを見ているとそうした相違点をあげつらい、教義の観点から「スンニ派とシーア派は明確に違う」と主張する人間もいる。

また、彼らには明確な派閥意識があると主張する人間もいる。

だが、何度も言う様に元々の原因が跡目争いなのだから、大して違いが出てくるはずがない。

実際少なくとも私がエジプトで暮らしている時分、両者の間に大きな溝や隔たりを感じたことはない。

よって彼らには我々が考えている程、教義上に関する明確な派閥意識はないというのが私の考えだ。

二大派閥の問題点

では何故近年こうした対立が頻繁に取り沙汰されるのだろうか?

イスラム教全体でスンニ派の占める割合は85%に上る。

一方のシーア派は15%程度だ。

過去の跡目争いに敗れ、異端扱いに堕ちた少数派のシーア派は、社会的弱者であり、経済的・社会的に困窮することが多い。

どこの社会でも弱者は何かと問題を起こし、社会の鼻つまみ者となりがちなもの。

必然的に社会的弱者である下級層と、富と権力を持つ中上級層の争いという構造になる。 

強引に例えるならば、日本における自民党支持者と社民党支持者の対立、アメリカにおける共和党(支配層)と民主党(非支配層)の対立の様なものだ。

国内が安定している日本やアメリカなどと違い、情勢が不安定なイスラム国家では、ふたつの勢力による激しい対立や混乱に繋がる事態も起きる。

また、近年ではイスラム過激派が台頭し、敢えてこうした派閥争いを煽り、イスラム全体を分裂と混乱に陥らせようとしている。

開祖の理念や宗教そのモノの本質とは全くかけ離れた政治的思惑により、イスラムが大きな分裂に危機にあることは、非常に悲しいことだ。

ムハンマドは墓の下で泣いているに違いない。。。

【とんでもない遺族の話】

葬儀というのは人間の本性が出てしまうもの。

厳かなセレモニーが一瞬にして、修羅場と化す瞬間があります。

私が担当した葬儀で経験した修羅場のひとつをご紹介します。

お別れの儀が終わり、蓋閉めをして出棺の運びへ。

喪主は故人の妻

 
「お蓋をお閉めしてよろしいですか?」

私が喪主様に確認した次の瞬間!

ペッッッ!!!

喪主様、棺の中のご主人に向かって唾吐いたんすよ!!!

ヽ(ヽ゚ロ゚)ヒイィィィ!!!

怒り狂う喪主女性
喪主
「とっとと閉めて!顔も見たくない!この歩く生殖器が!!!」

でもって、手にしてた花束を棺の中に

ドーン!!!

それまで旦那の死を悼む良い奥さんだっただけに、周りはドン引き!

( ̄□||||!!ガーン

爺いちゃんばあちゃんオロオロ!

(゚-゚;)オロオロ(;゚-゚)

あまりの剣幕に子供大泣き!

。・゚゚・(≧д≦)・゚゚・。ビエーン!!

おいらポッカーン・・・

∑( ̄Д ̄;)・・・

会葬者 (7)
司会
「み、皆様の・・・か、感謝のお気持ちを胸に、故人様お旅立ちの時間でございますっっ・・・」

っていう引きつったアナウンスも終わらぬうちに、喪主様ひとりでスタスタと火葬棟へ。

 
「い、急いで続けー!!!」

守り刀を振り回し、周りのスタッフに叫びながら、慌てて棺を持って喪主様を追っかける展開に!

何故かテンパった坊さんまで、

困惑する住職
住職
「ご主人置いってちゃだめだよ!奥さん!!!」

とか何とか、訳のわからないことを口走りながら、一緒に棺を抱えて走り出す始末。

もう正直「もうどうにでもなれ!!!」って開き直りましたけどね。

後から聞いた話では、生前は散々女性関係で故人に迷惑をかけられていたんだとか・・・

そんな旦那によく尽くすって周囲には評判の奥さんだったらしいのですが、最後の見納めだと思ったら、今まで我慢してきたものが爆発しちゃったんでしょうね。

それにしてもひどい葬儀でしたよ。

思い出すだけで寒気が・・・

故人も故人だけど、遺族も遺族ですよね・・・

送り出す側も送られる側も、最後は気持ちよくいきたいものですが・・・

まぁ、【終わり良ければ総て良し】なんて言いますが、結局人は【生きてきたようにしか死ねない】ものなのですよね。

皆さんもくれぐれもお気を付けくださいね。

【とんでもない坊さんの話】

弟の家にお呼ばれした。

ちょうど弟の長男の誕生日が近い。

早速電話で弟に相談。

 
「アンパンマンとか、戦隊モノとか好きだよね?おもちゃと本ならどっちが良いかな?」
男性
が良い。」
 
「成る程・・・じゃあ金は包むけど、それとは別に本か何か一緒に。。。」
男性
「それじゃあ本も買ったつもりで、その分も現金で入れといてよ。」
 
「成程・・・それじゃあ長男はお金にして、妹にも何か買って行くよ。」
男性
「じゃあで。」
 
「成程・・・じゃあ2人ともお金にするよ。何か食べ物買っていこうか?」
男性
「いや、こっちで用意するから大丈夫だよ。」
 
「流石に手ぶらってわけにはいかないから、何か買って行くよ。」
男性
「じゃあで!」
 
「・・・・・・」

何か買わせろ!!!

先日の葬儀につて、事前に住職と打ち合わせた時のこと。

 
「ご遺族が1日葬(通夜の無い葬儀)をご希望なのですが?」
住職
住職
「いやいや、ダメですよ。その様ないい加減なことではいけません。きっちり通夜も勤めさせていただきます」
 
(通夜の読経料もきっちり払えってことね・・・)
 
「式の前に親戚が送り向かえをしたいと言っていますが?」
住職
住職
「いや、御手間を取らせる訳にはいきません。タクシーで行くので結構ですよ。車代をお願いします」

「住職、精進落としのお席には着いていただけますか?ご遺族が御膳と、持ち帰り用の手土産を用意したいとのことですが?」

住職
住職
「いや、結構です。手土産はお気持ちだけで結構ですので、御膳料でお願いします」

どいつもこいつも、

結局金かい!?

「それがあんたらのやり方かー!?」 by おかずクラブ

【とんでもない遺族の話】

法律や物理学の上では、遺体は物だ。

だが、遺族にとっては相変わらず者(人)だ。

故に考え方や感じ方も様々だ。

この辺りの感情が何とも悩ましい。

深夜12時近くに私の携帯が鳴る。母親を亡くした娘(喪主)からだ。

喪主(焦り)
喪主
「色即是空さん、母のお腹の上に置いてあるドライアイス、取っちゃダメかしら?」
 
「どうしました?」
喪主(焦り)
喪主
「いやね、母が『重い!』って言ってるみたいで。。。」

いやいや(汗)もう死んでるけどね・・・

もちろんそんなことは言えない。

 
「お気持ちは分かりますが、遺体は内臓から痛んでいきます。ですのでお腹周りを中心にドライアイスでご処置させて頂いております。まだお式までには数日ございますし、綺麗なお姿でお別れしたいのであれば、お薦めは出来ません。」
喪主(焦り)
喪主
「そう。。。それならしょうがないわね。母には我慢するように私から説得しておきます。」

死んでるけどね・・・(もちろんそんなことは言えないけど。)

 
「お母様に『申し訳ございません』とお伝えください。」

死んでるけどね・・・(三回目)

翌日、別の遺族宅にドライアイスの交換で訪れた。ご遺体のお腹の上に新しいドライアイスを乗せる。

 
「ちょっと重いと思うんですが、少しの間だけ、勘弁してください。」
社長
喪主
「色即是空さん、そんな心配しなくて大丈夫ですよ。婆さん(母)はもう死んでますから、ドライアイス何十キロ乗せたところでもう何も感じませんよ。腐らないように、ガンガン置いちゃってください。アハハハハハ。」

 遺族によって感じ方が違うから面白いよねって話。

「お世辞にも孝行息子とは呼べない人間でした。」

息子(喪主様)はそう切り出した。

とある70代女性の葬儀でのことだ。

若い頃から親に心配ばかりかけ、ろくに親と向き合うことすらしなかった息子。

そんな親不孝者の息子が親の病気をきっかけに母親と向き合う決心をした。

しかしその決断は、あまりにも遅すぎた。

救急搬送された病院で下された非常な宣告は、持って余命1ヶ月というものだった。

本人に伝えるにはあまりにも酷すぎる。

こんな自分にできることはないものか。。。

思い悩んだ息子が選んだ方法は、毎日母親の病室に花を届けるというものだった。

来る日も来る日も病室を訪れては、本人に病状の深刻さを告げるようなもの。

花の水を替える、枯れた花を新しいものに取り替える、そんな口実でなら毎日病室を訪れても、不自然ではないだろう。

そう考えたのだ。

息子が入院初日選んだ花は「トルコキキョウ」

西洋での花言葉は、「感謝」と「親愛」

口に出すことの出来ない自らの思いを、せめて花に託そうとしたのだ。

しかし、時に運命とは残酷なものだ。

母親と向き合うわずかな時間すら、神様は与えては下さらなかった。

一度も水を替えることなく、母親は入院翌日に帰らぬ人となった。

息子の心の内をおもんばかるような、今にも泣きだしそうな空模様の下で、しめやかに葬儀が執り行われた。

そんな話を聞いていたので、お別れの花は、トルコキキョウとピンクのカーネーションをたくさん用意した。

息子の手向ける色とりどりのトルコキキョウやカーネーションに囲まれる母親の亡骸は、心なしかどこか微笑んでいるように見えた。

残念ながら生きているうちに自らの口で伝えることは出来なかったかも知れない。

だがしかし、想いは確かに母親には伝わったに違いない。

「産んでくれて有難う!」

涙でぐちゃぐちゃになった息子の言葉を背に、母親は火葬炉の奥へと消えていった。。。

人の死は何を大切なものを我々に気付かせくれる。

今からでもけっして遅くはない。

人は大きな悲しみを背負うことで、他人の痛みを知ることが出来る。故に人に優しく出来るのだ。

命の大切さとともに、母親がその身をもって教えてくれたこの最後にして最大の教えを胸に、これからの1日1日を大切に生きていってもらいたい。

そう願わずにはいられない。

人は2度死ぬ。

1度目は肉体の死。

2度目は人々の記憶から消え去った時だ。

お母さんだったら、こんな時どうするんだろうなぁ?どう思うんだろうなぁ?こんなことしたいって言ってたなぁ。

残された人間がそう思うこと、感じること、行動すること、それが故人が第2の人生を生きていくということだ。

まだ、間に合う。故人の第2の人生を豊かなものにしてあげてほしい。

そんな私の言葉を息子さんは静かに聞いていた。

故人様に心よりの哀悼の意を表して

合掌

【とんでもない会葬者の話】

都内某所にある大型集合住宅。

60代前半の女性、主婦たちの憩いの場の主が亡くなった。

ご主人を早くに亡くし、子供もいない独り身の寂しさを紛らわすためか、自らの部屋を住民たちの集いの場として開放した。

いつしかそこは、主婦たちの憩いの場となった。

大病を患ってからも、頑なに入院を拒み、自宅療養の傍ら、住民たちとの交流を欠かさなかった。

葬儀は行わず、関西に住む従姉妹が取り仕切っての直葬(火葬のみ)となった。

従姉妹が故人の部屋で遺体と共に数日間を過ごし、火葬当日自宅で納棺をして、火葬場まで運ぶ手はずとなっていた。

自宅納棺・出棺の場合は、手間がかかるため、通常二人でお伺いすることが多いのだが、生憎当社で抱えている葬儀が多い日だった。

立ち会いは従姉妹とその娘だけと聞いていた。

(一人で納棺&出棺か・・・誰か手伝ってくれる人がいればいいけど。。。)

そんなことを考えながら、エレベーターで5階まで上がり、部屋の扉を開けると・・・

おばちゃん1
おばちゃん
「葬儀屋さん来たわよ~!」

居るわ、居るわ!!!

そこそこ広さのある部屋だったが、見知らぬおばちゃん達で寿司詰め状態!

ざっと20名超。

すげーな!!!

そこで初めて代表格のおばちゃんから、ここが【主婦の憩いの場】だったという話を聞いた。

短い時間だったが、憩いの部屋の常連達との良いお別れができた。

さていよいよ納棺となったところで、困った問題が・・・

玄関が狭すぎて、部屋の中で納棺してしまうと、棺を外に運び出すことができない。

そういう場合は、外の廊下に棺を置いておいて、遺体を抱えて外まで出し、廊下で納棺するしかない。

基本的に納棺は女性は手を出さないのが慣例(都内では薄れつつある風習だが・・・)だが、私の他に男手がない。

背に腹は代えられないとばかりに、女性群に頼んだのだが、正直なめていた。

おばちゃんパワー半端ない。

おばちゃん4
おばちゃん
「大丈夫。みんな親の介護で慣れっこだから。佐藤さん、腰の下からグッと手をまわして、しっかり下から支えて!」
おばちゃん2
おばちゃん
「こっちは大丈夫!頭の方にもう少し回って!」
おばちゃん5
おばちゃん
「せーの!で行くわよ!鈴木さん、ドア開けといて!」

プロである私が完全に乗り遅れる始末。。。

はっきり言って、そこら辺の男なんかよりよっぽど手際も良いし、段取りも心得ている。

懸念していた納棺はあっさり終わったが、各自棺に入れたいものが沢山あるという。

ご近所の主婦が軒並み集まっている。この期に及んで人目だとか、近所迷惑なんてことを気にすることもあるまい。

もう開き直る。

マンションの廊下で賑やかなお別れ式の第二弾が始まった。

おばちゃん6
おばちゃん
「えっ?何々??奥さん亡くなったの???」

騒ぎを聞きつけた主婦がひとり、またひとりと加わる。

おばちゃん10
おばちゃん
「あらやだ!奥さんなくなったの?」

外出先から戻ってきた主婦が訪ねる?

おばちゃん9
おばちゃん
「私もちょっと寄っていこうかしら?」

【ちょっと寄っていこうかしら?】って、スーパーのタイムセールじゃねー!!!

流石に廊下ではキャパオーバーだ。

仕方がないので、周りに声をかけて、棺を広いエレベーターホールに移動させる。

その後も人は増え続け、最終的に4ー50名くらいになっていた。

エレベーターに乗りたそうに、遠巻に眺める若いカップル。

 
「すいませんね。ご迷惑おかけして。今納棺中なもので!」
 
そう言い訳しながらカップルをエレベーターに乗せる。
 
驚く男性
カップルの男性

「えっ、あっ、全然大丈夫です。全然。。。泣」
 
無理やり笑顔を作る男性の顔が、エレベーターの扉が閉まる瞬間にひきつる。

いや、気持ちは分かるよ。

帰ってきたら、自宅のエレベーターホールが葬儀式場になってたら、そらそうなるわな。

エレベーターホールって、基本そういう場所じゃないし。。。

無事納棺も終わり、棺を1階に下ろす。

マンションの入り口で見送る者、自分の住む階の廊下から見送る者・・・

おばちゃん12
おばちゃん
「○○さーん!今までありがとー!!!」

 

おばちゃん11
おばちゃん
「良いとこ行くんだよー!!!」

 

大勢の声援に見送られて、霊柩車は静かにマンションを後にする。

葬儀は地域で出すもの。

欠かすことのできない人と人との繋がり。

古き良き日本の【人情】を感じることの出来る、素晴らしい死出の門出だった。

まぁ、こっちは相当恥ずかしかったけどね。。。

故人様に心よりの哀悼の意を表して

合唱

地元を代表する会社の御曹司が亡くなった。勤務中の交通事故死だった。

10年ほど他の会社で働いていたが、社長である父親の熱心な説得により、将来の後継者として父親の会社に転職した矢先の不幸だった。

元々の大地主だが、潤沢な資金を武器に、現在の社長が一代で作り上げた会社だが、15年ほど前、長男を10万人にひとりの難病で亡くしているだけに、ようやく現実味を帯びてきた後継者の死に社長の落胆は大変なものだった。

当然ながら葬儀は、社を挙げての、大掛かりな社葬となった。

四桁からの会葬者の葬儀はそうそう担当するものではない。

怒涛のような葬儀の時間が過ぎ去った後に残ったのは、もはや重力に抗うことのできなくなった心身だけだった。

数日後、葬儀代金の集金に訪れた。

ヨーロッパの宮殿のような豪邸の応接間で、いかにも高そうな「お紅茶」をご馳走になりながら、暫し社長の話し相手をつとめる。

何度来ても豪奢な邸宅だ。

しきりにそう褒める私に、力ない笑いを浮かべながら社長が呟く。

社長
「金なんかあっても、ちっとも幸せな人生じゃなかった。。。」

体験した者だからこその言葉が、心に重くのしかかる。

何不自由なく育ってきても、死だけはどうにもならない。

死神の前では人はあまりにも無力だ。

だからこそ人の命は何よりも重い。

男も女も、老いも若きも、金持ちも貧乏人も・・・

死はいつも平等だ。

いつ何時、自らの背後でほほ笑むとも限らない。

だがせめて順番は飛ばさないでほしい。少なくとも親より先には。。。

祈ったところでどうにかなるものでもないとは知りつつも、そう願わずにはいられなかった。

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