【ネパール地震】2日前に母と最後の会話、訪日留学生語る

◆家族2人亡くす  

ネパール大地震で、朝日大大学院経営学研究科のネパール人研究生クスマ・カルパナさん(28)=名古屋市=は、母のニシリさん(69)ら家族2人を亡くした。

クスマさんは地震の前日にニシリさんと話したばかりだった。29日に取材に応じ「もう会えないなんて」とおえつした。  

クスマさんは首都カトマンズから東に約15キロの古都バクタプルの出身。2010年4月から同大に留学している。  

25日、地震の発生を知って家族に電話をかけたがなかなかつながらず、ようやく兄と連絡がついた。「大丈夫だ」。そう言われたが不安を拭いきれず、一晩中、電話をかけ続けた。

26日朝につながった近所の人から、ニシリさんと義理の妹が家の下敷きになって亡くなったことを告げられた。「つらさのあまり、その後の2日間はどのように過ごしたか覚えていません」と吐露する。

 

◆「住む所も食べ物もない」  

地震の前日、ニシリさんとインターネット電話で話した。地元で祭りが開かれるため、自宅にはニシリさんの孫ら7人が集まっていた。ニシリさんは数日前にぜんそくの発作が出たが、治療を受け元気な様子。

半年ぶりに見た母の顔は家族に囲まれ、幸せな表情を浮かべていた。話しが弾んだ。クスマさんは2年以上帰国しておらず、母は寂しさのためか

「会いに来てほしい」とこぼした。最後の会話になった。  

「住む所も食べ物もない」という兄の勧めに従い、帰国せず日本にとどまっている。

日本に住むネパール人の仲間らと募金活動を始めた。「さまざまな国が支援してくれているが、カトマンズの近郊には支援が届いていない。食べ物や薬、幼い子の服を届けてほしい」と支援を求めている。 

岐阜新聞

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