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支持率低迷でも韓国の大統領は解任されないの?-内閣総理大臣・大統領比較

大韓民国大統領は解任(罷免)されないのだろうか?日本の内閣総理大臣(首相)と比較しながらまとめてみる。

 

た李

(illust by DonkeyHotey)

竹島上陸を機に日韓関係を悪化を招いた李 明博(イ・ミョンバク)元大統領は、支持率が17%(過去最低)を記録した。

 

日本国内閣総理大臣(首相)

安倍晋三首相(日本国内閣総理大臣)

(illust by DonkeyHotey)

 

 

内閣総理大臣の解任

首相(内閣総理大臣)の解任

内閣新任決議/内閣不信任決議

与党から出される内閣新任案が衆議院議会で過半数の賛成を得られず否決されるか、与党から出される内閣不信任案が過半数賛成により可決された場合は、事実上首相は10日以内に解任となる。(内閣総辞職 or 衆議院解散)

法律上首相を直接退任に追い込む唯一の手段である為、「伝家の宝刀」と呼ばれる。

 

与党党首解任

法律上は首相と与党党首が同一人物である必用は無い。しかし本来議院内閣制においては、首相は与党党首が兼ねるものである。この慣例に基づいて、日本でも二つのポストが別人であった例外はただの一度も無い。

与党投党首を解任、拒否された場合は党首選を開いて落選させるなどの方法で、首相を辞任に追い込む。

党首を解任させればほぼ首相を辞職せざるを得ない為、直接的手法と呼んでも差し支えないように思う。

 

離脱・首相問責決議等

閣僚や所属議員の大量辞任や、与党からの離脱、参議院における首相問責決議の可決等、間接的に首相辞任に圧力をかける方法はいくつか存在する。

 

大韓民国大統領

  • 国民による直接選挙
  • 任期は5年
  • 国会の解散権はない

大統領解任

  • 一部事例を除き、在職中刑事上の追訴を受け無い(第84条)
  • 日本の内閣(不)信任決議に該当するものは無い。

犯罪を犯しても逮捕されないし、無茶苦茶な政治をやっても、与党も野党も手が出せない?恐ろしく国家元首の力が強い国だと思うかもしれないが、本来アメリカも含めて大統領制とはそういうものだ。

 

バラク・オバマアメリカ大統領

(illust by DonkeyHotey)

 

では本当に解任するん手段が無いのかといえば、そんなことは無い。まずひとつは84条にある「一部事例を除き・・・」の「一部」。

この一部とは「内乱又は外患の罪を犯した場合」とある。内乱、つまりクーデターや外患、つまり諸外国が韓国を乗っ取る手助けをするなど・・・所謂「国家反逆罪」に関する罪を犯した場合は刑事罰に問われる(当然解任)。

 

もうひとつは「弾劾(だんがい)」。

弾劾(だんがい)とは、法令により特別に身分を保障された公務員に職務違反や非行があった場合に、議会その他の国民代表機関の訴追を受けて、他の国家機関が審議して、当該公務員を罷免(ひめん)または処罰する手続きである。

訴追の議決のみで罷免が可能となる制度もあるが、弾劾制度を採用する多くの国では議会による訴追を契機として、罷免の理由となる義務違反や非行が認められるかの審査をする裁判手続き(弾劾裁判)が開始され、罷免の裁判によって公務員はその職を失う。

司法権を行う裁判官や行政権を行う大統領などの一定の職にある公務員の地位を保障しつつも、国民代表たる議会により他の二権を統制することを目的とする、民主主義的制度である。罷免につき弾劾の制度が設けられている公務員は、弾劾以外に職を失う事由がないか、それがきわめて制限されているのが通常である。

 

要するに大統領・裁判官など強い権限に守られた、特殊な立場の公務員が、あまりにもその立場にふさわしくないと考えられる時に発動する解任手段だ。

 

論より証拠ということで、実例をいくつか紹介する。

 

アメリカ大統領に対する弾劾追訴

リチャード・ニクソン・・・民主党を舞台にした一大政治スキャンダル(ウォーターゲート事件)の責任を追及され弾劾された。すぐさま辞任した為、実際に弾劾裁判が行われることはなかった。アメリカの大統領で任期満了を待たずに辞任した唯一の大統領。

 

ビル・クリントン・・・ホワイトハウス実習生時代のモニカルインスキーさんと、不適切な関係を持ったが発覚。大統領の品格を問われ弾劾裁判にかけられた。尚、辛うじて勝訴し罷免は免れている。

 

アメリカの大統領で弾劾追訴を受けたのは、ニクソンクリントンにジョンソン(第17代大統領・弾劾裁判では勝訴)を加えた3人のみ。

 

韓国大統領に対する弾劾追訴

盧武鉉ノ・ムヒョン)・・・大統領選における不正資金疑惑が浮上し、選挙法違反などで弾劾追訴された。後の弾劾裁判で大統領側が勝訴。韓国の歴史で唯一弾劾された大統領。

 

大統領が弾劾されることは非常に希で、裁判を待たずに辞任したニクソンの例は有るものの、アメリカ・韓国で罷免された大統領はまだ存在しない。

 

まとめ

大統領制を敷く国家は、大統領の権限が非常に強い。しかし非常に特殊な場合を除いて刑事上の追訴は受けないとしながらも、やはりスキャンダルや重犯罪を犯せば、弾劾され罷免される可能性はある。

 

 ウラジーミル・プーチンロシア大統領

(illust by DonkeyHotey)

 

だが、やはり日本との大きな違いがある。内閣不信任決議の大きな特徴は、政治的手腕を問えるということだ。国家元首やそれに準ずる立場に見合う政治手腕が無ければ、解任出来る。

一方弾劾とは、その立場にふさわしい品格を持ち合わせているかどうかを問うものであって、政治手腕を問うものではない。

そういった意味で「能無し」という烙印だけで、大統領を解任することは非常に難しく、レームダック(死に体・役立たず)などと揶揄される結果を生む。

多くの人間に少しずつ権限を譲渡し、お互いに協力し、時には牽制し合いながら政(まつりごと)を執り行う「議院内閣制」。片や国民の直接選挙で選ばれ、強い権限を持つリーダーに黙ってついて行く「大統領制」。

どちらが真に優れた制度なのかは、実に悩ましいところだ。

 

何れにせよ29%まで落ちて尚、何事もなかったかのような朴槿恵とその支持率が、大統領制の持つ「怖さ」を我々に教えてくれる。

 

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