仏国と言ってもフランスじゃありません。
仏国土、つまり仏の国代表のベストイレブンを組んでみました。選考基準は人気・知名度・ご利益などを参考に、私の独断と偏見で選ばせていただきました。
少しでも仏教に興味を持ってくれればと思い、ちょっとした仏教知識を盛り込みながら、メンバーを考えてみました。深く考えずにさらっと読み流してください。
その前に簡単に仏様の種類だけチェックしておきましょう。
仏基礎知識
それではさっそく!
※あくまでも個人的な感想です。
GK(ゴールキーパー)
絶対的守護神はこの仏
■観音菩薩(観音さま)■
主に来世での救済を主としている説仏の中では、珍しく現世での救いを与えてくれる仏さま。
場面場面に合わせた様々な姿を持っており、360度に渡って取り付けたられた11の顔を持つ十一面観音や、救済するスピードが速すぎて、手が千本あるように見える千手観音などが伝わっている。
庶民信仰の2トップ、地蔵菩薩との最終ラインは、人々だけでなく、ボールに対しても鉄壁の救済力を持つこと間違いなし。
(国宝・三十三間堂 十一面千手観音像)
DF(ディフェンダー)
鉄壁の守備陣はこの4仏
■地蔵菩薩(お地蔵さん)■
本来は仏界のトップに名を連ねることも可能なほど強大な力を持つが、出世などには興味を示さず、現場一筋を貫く実直な救世主っぷりから、庶民に絶大な人気を誇る。
多くの装飾品を身にまとった他の菩薩とは異なり、スキンヘッドにあまり装飾品を付けないその出で立ちは、まさに職人。
自らの身を挺してでも、相手を止めてくれるに違いない。
■執金剛神(仁王)■
その桁外れのパワーで敵の攻撃を真っ先に粉砕する。
1体でも十分怖いのに、2体が合体して襲ってきたら、もう逃げるしかない。
■不動明王(お不動さん)■
不動明王は密教の教主大日如来の第二の姿とされるため、明王を代表する五大明王の中でも筆頭格の明王で、人間の心の奥底に潜む悪や、仏教を脅かす邪鬼を、手にした剣や背中に背負った炎で焼き払う。
また左手に携えている縄で、煩悩などの悪しき存在を縛り上げ、言うことを聞かない人間を正しい道に引き戻す。
仏とは思えない恐ろしい憤怒の形相は、こうした性質から来ている。
天界と人間界の狭間に位置する火生三昧(かしょうざんまい)で、人間の煩悩や欲望が天界に波及しないように防いでいる。
MF(ミッドフィルダー)
中盤のミットフィルダーは黄金のカルテット。
西方極楽浄土を統治する仏界のスーパースター。そのご利益と知名度はまさに10番を付けるに相応しい。
自らにすがるものは誰であろうと極楽へと引き上げる、と言われる強力無比な仏パワーで、チームの戦術と精神的支柱の中核を担う。
釈迦にして、「全ての仏の先生」と言わしめるカリスマ性は、ピッチの内外で、選手たちのお手本となること間違い無し。
■釈迦如来(お釈迦さま)■
言わずと知れた仏教の開祖にして、自らの浄土である無勝荘厳国(むしょうしょうごんこく)の主。
実在した人間で唯一、如来になった我らがヒーロー。
師と仰ぐ阿弥陀如来との超豪華なコンビネーションは、我々人間にはアンタッチャブルな世界。
阿弥陀如来を影から支え、時に思いもよらない説法とゲームメイクで、チームを勝利へと導く。
■薬師如来■
別名医王。心の病も体の病もこの如来にかかれば、たちまちのうちに回復する、病苦の救い主。
現在でこそメジャーな如来の中では若干知名度に欠ける部分もあるが、来世ではなく現世であやかれるそのご利益から、古来より多くの権力者に愛され、阿弥陀如来などと共に日本で最も信仰されてきた仏のひとつ。
東方瑠璃光浄土の主として、中盤における黄金のカルテットの一翼を担う。
■大日如来■
真言密教における唯一無二の最高仏。奈良の大仏で有名な毘盧遮那仏(びるしゃなぶつ)と同一視されることもある。
真言宗では「大日如来こそが宇宙の真理そのものであり、全ての仏は大日如来が生み出す影」とすら言い切る絶対教主。
基本的に仏教の最高位である如来は、菩薩時代に付けていた多くの装飾品を全て取り払った姿で表されるが、大日如来だけは宝冠を戴いた姿で表現される。
まさにキング。
堂々たる出で立ちでサイドを駆け上がれば、何人たりとも彼を止めることは不可能だろう。
FW(フォワード)
怒涛の攻撃を担うのはこの2仏。
■帝釈天■
バラモン教やゾロアスター教の軍神にして最高神、インドラが仏教に取り入れられ、帝釈天となった。
梵天(ヒンドゥー教の最高神のひとりであるブラフマー神が仏教に取り入れられたもの)と対をなす仏で、二大護法善神として、梵天と共に天部(仏教の守護神)のトップに君臨する。
阿修羅との死闘は仏教史上、最も有名な戦いと言っても過言ではないだろうが、元々は帝釈天が阿修羅の娘を、無理やり妻にしてしまったのが原因・・・
阿修羅との格闘で不在場合は、もちろん梵天がピンチヒッターを務める。
ちなみにもう一人のフォワード、四天王は直属の部下。
持国天・増長天・広目天と共に四天王の一角を担う場合は多聞天と呼ばれる。
単体で扱われる場合や、七福神のひとり、あるいは主要な天部をまとめた十二天のひとりとして扱われる場合は、毘沙門天となる。
七福神では、勝負事のご利益を与えるとされる立場だが、ピッチに立てば自ら勝負をつかみに行く。
サポート
監督をはじめ、ピッチのサイドを固めるのはこのメンバー。
■文殊菩薩■
知恵の仏。本来は悟りを得るための知恵を司る仏だったが、「三人寄れば文殊の知恵」と言うように、時代とともに一般的な知恵についても管轄するようになった。
釈迦の脇侍を務めるなど、現在でこそ釈迦の歩みを助けるため、菩薩となって釈迦に付き従っているが、本来の姿は最高位の仏(龍種如来)とされ、時が来れば如来に戻る(普見如来)とされている。
生徒を導くために、敢えて自らの目線を生徒より下に落とす。
無二の英知と選手に寄り添うその姿勢が、選手の強みを最大限に引き出すこと間違いなし。
仏もみな人間だった時代がある。
壁にぶち当たった時、きっと彼らの言葉が選手達を原点に立ち戻らせ、解決の糸口を見つけるのに役立ってくれるだろう。
■弥勒菩薩■
現在は兜率天という場所で、如来になるべく、一心に修行に励んでいる。
まだ体もしっかり出来上がってはいないが、秘めたるポテンシャルと進化のスピードは、若手の中でも群を抜いている。
いざとなれば真っ先にピッチに飛び出していく準備は整っている。まさに頼れるスーパーサブ。
最後に
どうです?もし対戦しても、絶対に勝てそうにないでしょう。
まぁ、それは冗談ですが。
ちなみに今回は一握りしか紹介できませんでしたが、まだまだ紹介した魅力的な仏様は数多く存在します。
ひたすらひとつの神だけを信じるのもいいですが、私は様々な神や仏が存在する宗教のほうがおもしろくて好きです。(そういう問題じゃなんでしょうが・・・)
こうしたことをきっかけに、仏教の仏様に多少なりとも興味を持っていただければありがたいですね。
皆さんもここにはこの仏はどう?っていうのがあったら是非教えてください。
時間があれば他のスポーツもやってみたいと思います!
えっ?もういいって!?
あわせて読みたい!いや、読んでいただきたい!
いやいや、読んでくださいm(__)m!