通夜・告別式・法要・・・
葬儀で必ず行う焼香とは、一体どの様な由来があり、意味が込められているのでしょうか?正確に書かれているサイトが殆どないことが原因かも知れませんが、意外と知らない「焼香」の正体に迫ります。
「由来」
ある悩みとは・・・
お釈迦様が仏教をお説きになられたのは、今から2,000年も前のこと。当然エアコンなどありません。
そして生まれたばかりの宗教に熱心に耳を傾けるのは、最下層の肉体労働者や乞食達です。灼熱のインドで一日中汗を流して働き、仕事を終えてお釈迦様の説法を聞きに彼らが集まります。
そうなれば立ち込める体臭や悪臭で、とても説法どころではありません。
そこで臭を消す手段として導入されたのが、香を焚くという行為でした。(臭い消しとして香が発達していたインドでは、格段珍しくもない行為でしたでしょうけど。)
こうして香を焚く行為は「心身共に穢れを落とし、清める」行為として、仏教に深く根付いていくことになりました。
焼香は「死者に香を手向ける」と思っている人が多いように感じますが、「自らの心身の穢れを落とし、清らかな心で故人や仏様に祈りを捧げる為の下準備」としての要素が強いのです。
「仏と香り」
・仏様に良い香りをお届けする。
・香の香りが広がる様子を、仏の教えが隅々にまで浸透していく様に例えている。
・素晴らしい香りに満ちているという「浄土」の世界を表現する。
「遺体の臭い消し」
本来の意味は前述した通りですが、その後香は遺体の臭い消しとしての役割も果たしました。
冷蔵庫やドライアイスのない時代。夏などは遺体の腐敗は相当激しかったでしょう。会葬者の行う焼香の香りが、神聖な葬儀の場に腐敗臭が立ち込めるのを防ぐ働きがあったのでしょう。
ちなみに通夜は線香を絶やしてはいけないといった風習も、遺体から出る腐敗臭を消す為のものです。
・臭いが部屋に充満するのを防ぐ。
・近所に流れないようにする。
・ハエやゴキブリ等の害虫を防ぐ。
「食香(じきこう)」
この四十九日間を中陰(ちゅういん)と言い、香りだけを食するので「食香(じきこう)」ともよばれます。
よって四十九日の法要までは、毎日線香を絶やさぬようにと言われる訳ですが、前述の理由から焼香自体に「食香」としての要素は殆ど無いように感じます。
最後に
「焼香」の一番の目的は、自らの心身の穢れを落とし、清らかの気持ちで故人のご冥福を祈る為の行為となる訳ですが、まっさらな気持ちで故人への感謝と冥福を祈る為の大切な儀式だと思うと、一段と身が引き締まる思いがしませんか?
意味はわからないけど、何となくやっている行為の数々。
そうした行為を深く知ることで、少しでも意味のある行動に変えていけたら嬉しいですね。
sougi-soushiki.beauty-box.tokyo