【東日本大震災】家族第一の穏やかな母

■いわき市岩間町 坂本春江さん(83)

毎日朝から夕方まで農作業や家畜の世話に励み、3人の息子を育てた。大海原が目の前に広がる岩間町をこよなく愛した。夫の四郎さん(84)、長男進一さん(55)と、進一さんの元に嫁いだ香さん(44)の4人で暮らしていた。

震災後、香さんが仕事先から春江さんに電話した際、春江さんは「井戸の水がすごく揺れたけど、家は大丈夫だよ」と答えた。その後、電話がつながらなくなり、春江さんに津波の情報を伝えることができなかった。

春江さんは四郎さんと軽トラックに乗り避難しようとしていた。目の前に白波を立てて迫る津波を確認し、自宅の倉庫に逃げた。

足腰の悪い四郎さんを2階に避難させた直後、津波が押し寄せた。四郎さんが振り向いた時には春江さんの姿はなかった。

四郎さんは倉庫ごと津波に流されたが、何とか助かった。春江さんは2日後、自宅近くで遺体で発見された。

春江さんは特別な趣味を持たず、家族のことだけをいつも考えて働いていた。

「物静かで、私たち夫婦のことは『好きなようにしていいよ』と絶えず、温かく見守ってくれていた。私のことは『かおりちゃん、かおりちゃん』といつも優しく呼んでくれた」と、香さんは春江さんの穏やかな人柄をしのぶ。

福島日報

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