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死人の詩 -シビトノウタ-

葬儀屋バカ一代の葬式ブログ。誰もが気になる葬儀の話。実際にあったおかしな葬式や失敗談、仏事で役立つ葬儀豆知識など。

葬儀でお坊さんは何をしてるの?-受戒・戒名・引導・血脈・剃髪の不思議

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葬儀における僧侶の役割って何?

 

通夜に告別式、おもむろに斎場入りして訳のわからない作法やお経を唱えて帰っていくお寺のお坊さん。

 

宗教離れが加速する今、お坊さんって呼ぶ必要あるの?なんて声も大きくなりつつあります。

 

彼らはいったい何のためにやって来て、何をして帰っていくのか?

 

葬儀でお坊さんは何をしてるの?-受戒・戒名・引導・血脈・剃髪の不思議

 

お寺をあの世への【旅行代理店】に見立てて、最も重要な剃髪の儀・受戒・戒名授与・引導を中心に彼らの役割を解説します。

 

※尚、内容は一般的な仏教の儀式としてお考え下さい。浄土真宗など宗派や僧侶によって異なる場合がございます。

 

 

葬儀(主に葬儀並びに告別式)の重要な儀式

故人

「あの~すいません。浄土行きのチケット1枚欲しいんですけど・・・」

 

浄土入国手続き代行ならお任せ!指定旅行代理店【極楽ツアーの天国屋】

「かしこまりました。大人1枚でよろしいですか?」

 

格安極楽ツアーの天国屋

 

故人

「ええ。ちなみに片道どれくらい時間かかりますかね?私ももう年なもんで・・・」

 

【極楽ツアーの天国屋】

「浄土といっても統治する仏様により複数ございますが、いずれの浄土も四十九日のオールトレッキングコースとなっております。」

 

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故人

「シ、シジュウクニチのオールトレッキング!?」

 

【極楽ツアーの天国屋】

「ええ。この世もあの世もそれ程甘いもんじゃございません。きっちり四十九日かけて行っていただきます!」

 

故人

「旅程はかなりキツいんですか?」

 

【極楽ツアーの天国屋】

「大変厳しい、難関コースとなっております。ですので旅支度はきちんと整えられた方がよろしいかと存じます。」

 

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故人

「それは喪主の子供たちがしっかり準備してくれましたが、結構大変なんですね・・・高齢者専用の特急列車みたいなものは・・・?」

 

白装束のお遍路さん

 

【極楽ツアーの天国屋】

「ございません!浄土に行こうってくらいですから、それくらいは頑張っていただかないと!」

 

故人

「は、はぁ・・・(死んだら即楽できるワケじゃないんだ・・・)」

※ちなみに浄土真宗は即極楽浄土直行

 

【極楽ツアーの天国屋】

「ところでお客様・・・諸々のお手続きはお済みですか?」

 

故人

「手続き?いや、していませんが何か?」

 

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「いやいやいや、あり得へん。浄土とは仏国土、つまり仏の治める国、外国になります。中国だろうがアメリカだろうが、仏国土だろうが、所定の手続きの上、入国審査(イミグレーション)を通過しないことには、入国は認められませんよ!」

 

故人

「ええっ!?そうなの?」

 

【極楽ツアーの天国屋】

「当たり前じゃないですか!戦闘機が無断で他国の領空侵犯を犯せば撃墜され、人間が無断で入国を試みれば不法入国で入国管理局に逮捕されるのは、あの世もこの世も同じです!」

 

故人

「し、知らなかった・・・」

 

西方極楽浄土の主・阿弥陀如来【鎌倉の大仏

西方極楽浄土の主・阿弥陀如来【鎌倉の大仏】)

 

【極楽ツアーの天国屋】

「はは~ん。さては浄土が仏教徒といえば誰でも自由に入国可能なフリーダムな国だと思っていらっしゃいました?」

 

故人

「え、ええ、まぁ・・・」

 

【極楽ツアーの天国屋】

「甘いですね~お客様。そんな制度は存在しません!」

 

故人

「でも、じゃあどうすれば、いいんですか?」

 

【極楽ツアーの天国屋】

「当店にお任せ下さい!各種手続きには指定の先輩僧侶が必要になりますが、当店には実績豊富な坊主が沢山在籍しております。今なら特に優秀なBOSE1(ボーズワン)が担当可能でございます。って言うか実はもう既に喪主の息子さんから仮の予約を頂いておりまして・・・」

 

BOSE

 

故人

「何かエアフォースワンみたいに言ってるけど、要は住職ですよね?」

 

【極楽ツアーの天国屋】

「ごく稀にそう呼ばれることもありますね。」

 

故人

「・・・じゃあ・・・それで。」

 

【極楽ツアーの天国屋】

「ありがとうございます。それではさっそくBOSE1を指定の場所に派遣します。」

 

開式

BOSE

「はじめまして。それでは早速事前の手続きを始めさせていただきます。仏国土に入るには仏(釈迦)の弟子になる、つまり僧侶になることが必要になりますが、まずは仏国土国境警備隊、入国管理局等を通じて、菩薩や如来などの国務大臣国家元首クラスとやり取りし、先方に受け入れ体制を整えてもらう必要があります。では交信を開始しますね。」

 

東方瑠璃光浄土の国家元首・薬師如来【法隆寺】

(東方瑠璃光浄土の国家元首薬師如来法隆寺】)

 

剃髪の儀(おおかみそり)

BOSE

「さて、あなたは僧侶になるために、髪の毛を剃るなど、外見を整える必要があります。伸び続ける髪の毛が人間の欲望を連想させるなどの理由があるようですが、いずれにせよ仏国土は非常にデリケートな感情で形成されています。覚えておいてください。」

 

故人

「わかりました。」

 

血脈授与

BOSE

「次にこちらの封書ですが、血脈、つまり【わたし、仏(釈迦)弟子になったよ~】というゴキゲンな証明証になります。内部に書かれているのは家系図のような構成のモノです。お釈迦様から始まって、私の下にあなたのお名前を書いておきました。ナイスな効力を発揮しますよ。」

 

故人

「さすがその道のプロ。至れり尽くせりですね。」

 

BOSE

「代理店によって発行するしないはあるんですが、当店では必ずお付けしています。最初にお渡ししておきますので、お旅立ちの際は忘れずにお持ちください。」

 

故人

「ごっつあんです!」

 

密厳浄土の教主大日如来【円成寺

(密厳浄土の教主大日如来円成寺】)

 

受戒

BOSE

「次に受戒、つまり戒を授けます。戒とは仏弟子としての決まり事、わかりやすく言うと仏国土の法律ですね。代表的なものを10個(十善戒)読み上げますが、全部合わせると男性で250個程度、女性で350個程度ありますので、六法全書をよく読んでしっかり守ってくださいね。良いですか?」

 

故人

「わかりました。約束します。」

 

戒名授与

BOSE

「さぁ、お約束いただきましたので、その印として仏国土でのお名前を差し上げます。いわゆる戒名です。仏国土へのパスポート代わりになりますので、しっかり覚えてくださいね。」

 

戒名と位牌

 

故人

「今までの名前は使えないんですか?」

 

BOSE

「一切使えません。国籍が変わるわけですから、致し方ありません。いつくか存在する仏国土のうち、あなたの目指す仏国土の形式に合わせて、私があなたの未来への希望を精一杯詰め込んだ力作をご用意いたしました。」

 

故人

「お気持ちは有り難いんですが・・・自分で付けちゃダメですか?私、生前から自分で自分の名前を付けるのに憧れておりまして・・・ダメなら子供たちに付けてもらうとか・・・」

 

BOSE

「それも出来ません!ペンネームじゃあるまいし・・・だいたい勝手に付けられては我々の食い扶持が無くな・・・いやいや、この名前は遥か昔から、仏教世界の親に当たるBOSSの称号を持つ我々僧侶しか付けることは許されておりません。その代わりと言っては何ですが、親しみやすいようにあなたの生前のお名前の一文字を入れておきました。」

 

故人

「ちょっと融通がきかない部分もありますが、サービス精神旺盛ですね!」

 

BOSE

「もちろんです。それと息子様からギャランティーの方も世間的に見れば、少々大目の金額を頂いておりますので、戒名に関しては自然と力が入ってしまうというのもあります!」

高額なお布施

故人

「地獄の沙汰も・・・ボソボソ・・・」

 

BOSE1 

 「えっ?今何と?」

 

故人

「いえ、何でもありません・・・」

 

引導

BOSE

「さあ、これであなた自身が立ち会っての所定の手続きは終了です。あなたは心置きなくあの世へとご出発なされてください。」

 

故人

「ありがとうございます。でも・・・いざとなると何だか離れ難いものがありますね・・・」

 

BOSE

「お気持ちはお察しいたします。既に昨晩の通夜で残された方たちの【私たちは大丈夫だよ】という思いは、お経に乗せてあなたにお届けしましたが、そうは言ってもなかなかですよね~。そうだ、私が迷わず浄土へ行けるようにという願掛けも込めて、あなたのお尻を思いっきりひっぱたいて差し上げましょう!」

 

故人

「デリケートな部分なんでお尻はちょっと・・・。でも最後は師匠自ら背中を押してくださるというのは有り難いですね。」

 

BOSE

「そのとおり。引いて導く!文字どおり【引導】を渡して差し上げましょう。それではいきますよ!」

 

BOSE

「3・2・1、カーツ!!!」

 

引導作法

 

旅立ち

故人

「何だか勇気が湧きてきました!」

 

BOSE

「これから先方の各関係省庁に最後のお願いや、今後の初七日の通関手続き、ついでと言ってはなんですが、ご当家の繁栄祈願から世界平和まで、各種祈願やその他残りの手続きはやっておきます。」

佛に祈願する佛に祈願する僧侶

故人

「よろしくお願いします。」

 

BOSE

「さお、準備はいいですか?餞別代わりに私が有り難いお釈迦様の教え(お経)をお唱えしてお見送りいたしましょう。同時に残された者たちが手向ける心よりのお焼香の煙と共に、行ってらっしゃい!Go to Jyoudo!」

 

故人

「いざ浄土!」

 

BOSE

「仏説~摩訶、般若波羅蜜多心経~。観自在菩薩・・・(有り難い教え)」

 

司会

「それではお別れのお焼香でございます。」

 

葬儀のお焼香

 

BOSE

「仏様方、故人はどこまでも皆様に付いて行くと申しています。私のクライアントをくれぐれもよろしく頼みますよ~」

 

故人

「さようなら~また会う日まで~」

 

まとめ

どうです?こんな感じです。

 

もちろん浄土真宗は四十九日間の旅をしなかったり、また僧侶によっては剃髪の儀を省略したり、真言宗曹洞宗以外は血脈を持ってこないことが多かったり、読まれるお経も様々だったり、一部を通夜に執り行ったり・・・

 

宗派や僧侶によってマチマチですが、基本的には、

 

故人を称え偲び、残された者たちの【心配しないで!】という思いを故人に向けて存分に伝えた通夜を受けて、仏様に故人をよろしく頼みますとお願いし、入国の諸手続きを済ませた上で、力強くあの世へと送り出す!

 

この基本的な流れは一緒です。

葬儀で葬儀で読経する僧侶

お釈迦様は「欲を捨てなさい」とおっしゃいました。

 

しかし悲しいかな精一杯、故人を偲ぼうにも、意味不明な儀式をひたすら見させられているだけでは、時に悲しみよりも睡眠欲が勝ってしまうのが、この世に生きるわれわれ衆生というもの。

 

僧侶のやっていることを多少なりとも理解することで、よくわからないままぼんやりとお坊さんのすることを眺めているより、はるかに心のこもった葬儀の時間を過ごすことができれば、これほど嬉しいことはありません。

 

 

合わせて読みたい!いや、読んでいただきたい!

いやいや、読んでくださいm(_ _)m!

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