「火葬の時にお柩に入れていい物、入れてはいけない物」でも触れましたが、生きている人間の写真は柩に入れてはいけません。でも生きていてもペットの写真は入れてもOKです。
(Photo by Ahmad M)
近くにある葬儀屋のおじいちゃん社長から電話。
自社の納棺の出来るスタッフが、急遽出払ってしまっているとのことで、納棺を手伝って欲しいらしい。
ご遺体はもうすでにが病院からご自宅にお連れして、納棺待ちとのことだが、兎に角時間が無いらしい・・・
仕方がないので急いでおじいちゃん社長に同行して納棺へ。
旅支度をして、無事納棺は終了。
その後副葬品(衣類・食べ物・嗜好品・趣味の物などなど・・・)をお柩の中へ入れてもらいました。
予定時間は少しオーバーしてしまいましたが、一通り入れ副葬品も入れ終わり、中身をチェックしていた社長が、納められら写真や手紙の中に、故人様と喪主様のツーショット写真を発見。
故人様は80代の女性で、喪主様は60代の娘さん。
どうやらお二人で、旅行に行かれた時の写真の様です。
社長「喪主さん。生きている方の写真はれちゃダメです。(あの世に)引かれちゃうから!」
喪主様「えっ?そうなんですか。気付いてくれて良かった~」
安堵した表情の喪主様。
社長が喪主様の葬儀まで狙う様な、極悪人じゃなくてホント良かった!
って隣で僕もひと安心。
すると一緒のいた幼稚園くらいの女の子(故人の曾孫・喪主の孫)が、慌てて喪主様に一言。
曾孫「おばあちゃん、クーちゃんの写真も入れちゃった。」
喪主様「あらっ!それは大変。」
早速社長が反応!
社長「生きてる方の写真がまだあるんですね!?」
そう、社長が言い終わるか終わらないうちに、喪主様が一枚の写真を拾い上げました。
そこには・・・
一匹の猫が。
どうやら飼っていたペットのようですね。
それを見て社長が一言。
「犬は大丈夫です!」
そう言って、喪主様の手から写真を取って、再びお柩の中へ。
喪主様「え・・・でも・・・」
社長「大丈夫。ペットは大丈夫ですから。」
喪主様「まだ生きてますけど、引かれませんか?」
社長「大丈夫ですよ。お母さんも寂しいと思いますんで、この写真は一緒に持っていってもらいましょう!」
喪主様「えっ!?やっぱりペットも引かれるんですか?」
そう言いながら慌てて写真を柩から取り出そうとする喪主様。
社長「いや、大丈夫です!これで大丈夫です!」
喪主様の手から写真を取り、またまた棺に納める社長。
うろたえる喪主様、目をキョロキョロさせるお孫様、涙見になる曾孫様。
でもそんなのお構いなしの社長。
「大丈夫!大丈夫ですから!それではお母様は一足先に斎場にお連れいたしますので、後ほど斎場で!」
って言い残して、霊柩車の運転手と僕を急かして、お棺を霊柩車に乗せ、そそくさと退散しようとする社長。
一応社長を弁護しておくと、確かに通夜までの時間が迫っていたのは事実。
本来斎場で葬儀屋が納棺する予定だったものを、急遽ご遺族の希望で、ご自宅納棺となってしまった為に、余計時間を食ってしまった訳です。
それにしても年を取ってからは、益々マイペースなお方・・・
仕方がないの斎場に急ごうとする社長を車内に待たせて再び家の中へ。
引かれてしまうという迷信は、あくまでも人間だけであって、犬には当てはまらないから安心する様に説明し、ついでに聞かれたいつくかの質問に返答。
ご遺族の顔に安心が戻ったのを確認した後、車に戻りました。
その後車は斎場に向かって走り出しました。
僕が手伝って欲しいと言われたのは納棺だけ。斎場にお棺を下ろしたら晴れてお役御免です。
僕「お柩降ろしたら、帰りますね。」
それを聞いた社長。
「その前に斎場の中のセッティング任せちゃっていいかな?今日慣れてる人間がいないんだよ・・・」
僕「へっ?」
社長「いや、だって古本マン君がご遺族と長々話してるから、余計時間がなくなっちゃったんだから」
あんたのせいやろがー!!!
社長「頼むよ~。君がやってくれればこっちも楽だし、何より納棺もしてるんだから、ご遺族だって安心でしょ。」
このタヌキじじぃ・・・
いつか鼻に線香突っ込んでモクモク火ぃ点けてやる・・・(ウソ)
何はともあれ写真だけはお気を付けください。
間違っても・・・
「自分の写真」
なんて、入れしないようにしてくださいね。
勿論・・・
「生きてるペットの写真」
は、入れても大丈夫ですよ笑。
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